長野市から電車で20分。 そこに、ちょっと異質な町がある。 栗と葛飾北斎という、不思議な組み合わせで知られる小布施。 派手さはない。 でも歩くほどに、じわじわと好きになっていく。 白壁の路地、栗の木の並木、どこからか甘い香り。 急ぐ理由が、ここにはない。
小布施のおすすめスポット
北斎館|90歳の老人が、天井に描いたもの
入館料1000円。
建物は思ったより小さい。
でも中に入ると、空気が変わる。
葛飾北斎がこの小布施に来たのは、83歳のとき。
そこから何度も通い、90歳近くまで描き続けた。
その事実だけで、少し眩暈がする。
圧巻なのは、祭屋台の天井絵だ。
「男浪」「女浪」と呼ばれる波の絵。
実物を見るまで、絵だ。
目の前に立つと、波が動いているように見える。
これ、本当に人間が描いたのか。
展示室はそれほど広くない。
1時間もあれば一通り見られる。
だから逆に、一枚一枚をじっくり見てしまう。
晩年の北斎が描き続けた理由を、帰り道ずっと考えた。
答えは出なかったけど、それでよかった。
岩松院|カエルの俳句と、鳳凰の天井と
北斎館から歩いて行けると思ったら、行けない。
車で10分ほどかかる。
タクシーか、レンタサイクルが正解だ。
岩松院は、1408年創建の古刹。
境内に入ると、まず静かさに驚く。
春は桜が咲いていて、それが本堂の屋根と重なる。
写真を撮りすぎて、前に進めない。
ここに来たかった理由は2つある。
ひとつは、小林一茶の「やせ蛙 まけるな一茶 これにあり」の句碑。
実際の蛙合戦があった池が今も残っている。
4月から5月の早朝、本当に蛙が集まるらしい。
その時間には間に合わなかったけど、池の前でしばらく立っている。
もうひとつは、本堂内陣の天井絵。
21畳分の鳳凰図。
これも北斎の作だ。
拝観料500円を払って中に入ると、首が痛くなるまで見上げてしまう。
色がまだ残っている。200年前の色が。
小布施堂|栗菓子を、縁側で食べる午後
小布施に来たら、ここには絶対寄る。
創業は江戸時代。
今も現役の老舗だ。
本店の建物が、まずいい。
古い土蔵と現代の設計が混ざっている。
うるさくない。
品がある。
名物は「朱雀モンブラン」だけど、9月〜10月の期間限定。
春に行くなら、栗鹿ノ子や栗羊羹が定番だ。
小さな和菓子を1個買って、縁側に腰掛けて食べた。
甘さが、静かだ。
隣接する「傘風楼」では、食事もできる。
ランチは要予約で、コースは5000円前後。
少し贅沢な昼ごはんとして、旅の真ん中に置くのがちょうどいい。
お土産の栗菓子は、ここで買うと間違いない。
賞味期限が短いものが多いから、発送サービスを使うのが現実的だ。
東京まで送っても、味は変わらない。
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小布施への行き方
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