徳川家康が生まれた城下町。 そう聞いても、ピンとこない人も多いだ。 でも実際に歩くと、空気が違う。 味噌の香りが路地に漂い、石垣の重さが目に入る。 歴史が「展示物」じゃなくて、町ごとそこにある感じ。 それが岡崎だ。
岡崎のおすすめスポット
岡崎城|石垣の前に立ったとき、歴史が急に近くなった
岡崎公園の中に入ると、まず石垣の大きさに黙る。
これが1542年に家康が生まれた場所か、と。
天守は江戸時代のものではなく、1959年の再建だ。
それでも、石垣は本物。
触ると冷たくて、ざらざらしている。
入館料は200円。
エレベーターもあるが、あえて階段を使った。
踏み板が古くて、軋む音がする。
最上階から見下ろすと、岡崎の町が広がる。
城の周りに川が2本流れているのが、はっきりわかった。
混むのは週末の午前中。
平日の夕方16時頃に行くと、ほぼ貸切状態だ。
閉館は17時(入館は16:30まで)なので、時間には注意したい。
春は桜で外堀が埋まる。
その時期に来たら、また違う顔を見せてくれるはずだ。
八丁味噌蔵|煉瓦と石と、3年分の時間の重さ
カクキューとまるや。
岡崎城から西へ歩いて約20分、八丁村跡に2軒の蔵が並ぶ。
同じ通り沿いに、ほぼ向かい合って建っている。
カクキューの見学は無料で、所要時間は約30分。
蔵の中に入った瞬間、空気がひんやりする。
味噌の香りが鼻に来る。
強烈ではなく、深い。
圧巻なのは、木桶の上に積まれた石の山だ。
1つの桶に、3トンもの石が積まれているという。
3年以上、この重さをかけ続けて熟成させる。
そう聞いてから桶を見ると、石の意味が変わった。
試食コーナーで八丁味噌を使った味噌汁を飲んだ。
赤くて、濃くて、後から旨みが来る。
スーパーで買う合わせ味噌とは、全然別の飲み物だ。
見学後に売店で小分けパックを買って帰ったのは、言うまでもない。
徳川家康公像|観光地の像じゃない、あの顔の話
岡崎公園内に、家康の銅像がある。
高さは約5メートル。
よくある「偉人の銅像」を想像して行ったら、少し違った。
家康は座っていない。
立って、前を見ている。
どこか険しい顔で。
隣に説明板があって読んでみると、若い頃の家康をイメージしたとある。
武将として戦っていた時代。
三河の地を守ろうとしていた頃。
そう知ると、険しい目の意味が少しわかった気がした。
観光客は記念写真を撮って去る人が多い。
5分だけ立ち止まって、顔を正面から見てほしい。
台座の周りに刻まれた言葉も読んでほしい。
「人の一生は重荷を負うて遠き道を行くがごとし」
その言葉が、この顔と重なる。
朝イチで行くと、誰もいない。
光が東から当たって、像の表情がよく見える。