島根県の東端、山深いところに奥出雲はある。 鉄を作り続けた土地の記憶が、今も地面の下に眠っている。 渓谷は削られ、湖は静かで、森は暗い。 観光地らしさがほとんどない。 それがいい。
奥出雲のおすすめスポット
菅谷たたら山内|鉄の匂いが、まだここに残っている気がした
仁多郡奥出雲町の山あいに、集落ごと残っている。
たたら製鉄の現場がそのままの形で。
江戸時代から昭和初期まで、ここで砂鉄を溶かし鉄を作り続けた。
高殿と呼ばれる建物に入ると、天井が高く、中は薄暗い。
炉の跡が床に残っている。
ガイドのおじさんが話してくれた。
「この炉は3日3晩、火を落とさない」
当時の職人は交代制で、ほぼ眠れなかったという。
敷地内には職人の住居や米蔵も残っている。
国の重要有形民俗文化財。
でもそんな肩書きより、「生きていた場所」という感触のほうが強かった。
見学は無料。
駐車場から高殿まで歩いて5分ほど。
平日は静かで、ほぼ貸し切り状態だ。
鬼の舌震|足が震えた。怖さじゃなくて、その規模に。
遊歩道の入口に立った時点では、正直なめている。
「渓谷の散歩道でしょ」。
全長2.2km、往復で約90分。
途中から岩の形が明らかにおかしくなる。
花崗岩が侵食されてできた甌穴群。
大きいものは直径2メートルを超える穴が岩に開いている。
水が何万年もかけて削ったもの。
吊り橋が3本ある。
一番長い「ゆりかご橋」は長さ120m、高さ約20m。
渡ると揺れる。本当に揺れる。
下を見ると足がすくんだ。
紅葉の時期(10月下旬〜11月上旬)が特に人気らしい。
でも新緑の5月も十分すごかった。
川の色が透明すぎて青く見える。
入口付近に駐車場と小さな売店がある。
トイレは入口のみ。
歩きやすい靴は必須。サンダルは無理。
おろち湖|静かすぎて、時間が止まったと思った
ダム湖なのに、なぜかずっといられる。
尾原ダムによってできたおろち湖。
湖面は穏やかで、周囲の山がそのまま映り込む。
春は桜、秋は紅葉。
でも人が少ない時間帯は、季節関係なく静けさがすごい。
水の音しかしない。
湖畔にはレンタルカヤックがある。
1時間2,000円ほど。
カヤックで出ると、山に囲まれた感覚がさらに強まった。
近くに「奥出雲おろちループ」がある。
国道314号の二重ループ式道路。
ループ橋を見渡せる展望台から見ると、道路がらせん状に登っていく。
あれは車で走るより、外から見る方が面白い。
湖畔沿いを車で走るだけでも気持ちいい。
対向車がほとんど来ない。
窓を開けると、冷たい空気が入ってきた。
モデルコース
奥出雲への行き方
HUB CITY
松江(拠点都市)から行ける旅先を見る →