標高1,000メートル超の山あいに、湯けむりが漂っている。 奥飛騨温泉郷は、北アルプスのふもとに広がる温泉地だ。 派手さはない。 でも、一度来ると、また来たくなる。 冬に訪れると、雪と湯気と静寂だけがある。 それだけで、十分すぎる場所だ。
奥飛騨温泉郷のおすすめスポット
新穂高温泉|雪の中に、野趣あふれる湯があった
無料の露天風呂がある、と聞いている。
「新穂高の湯」、蒲田川沿いに突然現れる。
脱衣所は簡素。
混浴で、冬は特に女性には入りにくいらしい。
でも、その開放感は本物だ。
目の前に川。
頭上に雪をのせた山。
湯温は42℃前後で、ちょうどいい。
夜は宿の貸切露天へ移動した。
宿泊した「深山荘」は、川沿いに露天風呂が並ぶ宿だ。
1泊2食で約25,000円〜。
決して安くはないが、朝6時に誰もいない露天に浸かったとき、値段のことは忘れた。
雪がゆっくり降っている。
湯気の向こうに山の稜線が見える。
こういう時間を、贅沢と呼ぶんだ。
新穂高ロープウェイ|2,156メートルで、雲の上に出た
2段階で上がる。
第1ロープウェイで白樺平へ、そして第2ロープウェイで西穂高口へ。
ここが標高2,156メートル。
扉が開いた瞬間、空気が違った。
冷たいというより、薄い。
息を吸うたびに、肺が驚いているのがわかる。
展望台から見える北アルプスの山並みは、圧倒的だ。
槍ヶ岳の頂がはっきり見える。
雲が山と同じ高さにある。
下界の話を忘れる景色だ。
冬季は積雪が3〜4メートルになることもある。
スノーシューレンタルもあり、雪の上を歩ける。
防寒は本気で必要で、ダウンとネックウォーマーは必須だ。
往復料金は大人3,300円。
混雑は午前中のほうが少ない。
9時台に乗ると、山頂をほぼ独り占めできる。
平湯温泉|バスターミナル横に、本物の湯があった
平湯温泉は、奥飛騨の玄関口にある。
松本や高山からのバスが着く「平湯バスターミナル」のすぐ横に、「平湯の湯」がある。
料金は600円。
建物は古い。
ロッカーもシンプル。
でも、湯は本物だ。
茶褐色のナトリウム炭酸水素塩泉。
肌がするりとなる。
地元のおじさんたちが黙って浸かっている。
その雰囲気も含めて、好きだ。
「平湯民俗館」の敷地内には、江戸時代の古民家と野天風呂もある。
冬は雪見風呂になる。
こちらは寸志(目安200円ほど)で入れる。
夕方16時ごろ、誰もいない野天風呂に入った。
木々に雪が積もっている。
湯の向こうに茅葺き屋根が見える。
ここ、すごいな、と小声で言った。
誰に言うでもなく。
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奥飛騨温泉郷への行き方
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