静岡の最南端に、岬がある。 太平洋にそのまま突き出した、削られた断崖。 遠州灘の風が正面から来る。 ここまで来ると、日常の空気と明らかに違う。 浜松からでも車で1時間ちょっと。 なのにこんなに遠い場所に来た気がするのは、 たぶんあの風のせいだ。
御前崎のおすすめスポット
御前崎灯台|白い塔の上で、太平洋と目が合った
明治7年に初点灯した灯台。
白亜の塔は高さ約22メートル。
入場料200円を払って、らせん階段を上る。
ここの階段、思ったより急だ。
せまい、暗い、足元が少し怖い。
それでも上り切った先の景色は、言葉にしにくい。
360度、海しかない。
遠州灘の水平線が、ぐるりと広がっている。
快晴の日は伊豆半島まで見える。
午前9時ごろが一番空いている。
観光バスが来るのは10時以降が多い。
早めに動くと、ほぼ独り占めになる。
灯台の足元には「日本の灯台50選」のプレート。
確かに、来る価値がある灯台だ。
白羽海岸|人が少ない。それだけで、もう十分だ
灯台から車で10分ほど南下すると、白羽海岸に出る。
夏でも混雑しない穴場の浜だ。
砂が細かくて、足に刺さらない。
波は思ったより静かで、子どもが遊んでいた。
海の家は1軒だけ。
かき氷500円。
日差しが強い日は、あの冷たさが体に染みた。
海の色が印象的だ。
熱海や下田とは違う、灰みがかったブルー。
遠州灘特有の色だ。
午後3時すぎに行ったら、人がほとんどいない。
波の音しか聞こえない浜で、
1時間ぼんやりしている。
それだけで、来た甲斐があった。
どこかに入る必要も、何かを見る必要もない。
そういう場所が、たまに必要だ。
遠州灘の夕暮れ|18時15分、空が全部オレンジになった
御前崎に来たなら、夕暮れまでいたほうがいい。
そう聞いてはいたけど、実際に見るまで信じていない。
日没前の30分、空の色が変わり始める。
遮るものが何もないから、地平線まで全部見える。
オレンジ、赤、紫、そして濃紺。
そのグラデーションが、ゆっくりと動いていく。
その日の日没時刻は18時47分。
18時15分ごろから空が染まり始めた。
岬の先端に人が集まってきた。
誰も話さない。
みんな、ただ見ている。
遠州灘は波が高いことで知られる海域。
夕暮れ時は風も強くなる。
薄手のウインドブレーカーを1枚持っていくといい。
帰りの車の中で、少し言葉が少なくなった。
あの時間を見たあとは、なんとなくそうなる。
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御前崎への行き方
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