京都から電車で10分。 なのに、人がぐっと少なくなる。 大津はそういう街だ。 琵琶湖の水面が光って、山の緑が濃くて、空気がひんやり重い。 歴史の密度がとにかく高い。 歩けば歩くほど、この街は何層にも重なっていることがわかった。
大津のおすすめスポット
比叡山延暦寺|標高848m、霧の中に仏教の原点があった
ケーブルカーを降りた瞬間、空気が変わった。
標高848m。
6月だというのに、半袖では寒かった。
延暦寺は「一つのお寺」ではない。
東塔・西塔・横川の三つのエリアに分かれていて、全部回ると3〜4時間かかる。
それを知らずに来てしまった。
根本中堂は現在修復中で、工事の足場に囲まれている。
でも、それがかえってよかった。
足場の隙間から「生きている場所」として見える。
1200年、ずっと守られてきた火がある。
その炎の前に立つと、言葉が出ない。
法然、親鸞、道元、日蓮。
日本仏教を変えた人たちが、ここで学んだ。
その重さが、空気になって漂っている気がした。
入山料1000円。
ケーブルカーは往復で2600円。
バスで西塔・横川まで移動できるが、本数が少ない。
時刻表は必ず確認して行くこと。
石山寺|紫式部が『源氏物語』を書き始めた、湖の畔の静けさ
「ここで書いたのか」。
本堂の一角に、紫式部が籠ったとされる部屋がある。
琵琶湖が見えて、月が美しかったはずで、たしかにここなら何か書けそうだ。
石山寺で驚くのは境内の地面だ。
「硅灰石(けいかいせき)」という岩が至るところに露出していて、ごつごつと盛り上がっている。
国の天然記念物にもなっている。
寺の土台が岩でできているような感覚。
その上に建物が乗っているのが不思議だ。
多宝塔は1194年建立。
国宝だ。
朱色が木々の緑に映えて、写真を撮りすぎてしまった。
境内は広くて、歩くだけで30〜40分はかかる。
秋は紅葉、春は牡丹。
紅葉の時期は夜間ライトアップもある。
入場料600円。
最寄りは京阪「石山寺駅」で、歩いて10分ほど。
湖沿いの道を歩いていくと、気持ちいい。
三井寺|広すぎて、地図を見ながら迷った。それが良かった
正式名称は「長等山 園城寺」。
でも地元の人はみんな「三井寺」と呼ぶ。
とにかく広い。
境内に入ると、次々と建物が現れる。
地図を持っていたのに、何度も「あれ、ここどこ」となった。
特に印象的だったのが、琵琶湖疏水の水門が見えるポイントだ。
境内の高台から見下ろすと、琵琶湖と大津の街が広がる。
観光客がほとんどいない場所だ。
なぜか誰も来ない穴場だ。
「三井の晩鐘」は日本三名鐘のひとつ。
一打200円で実際に撞ける。
低くて、腹に響く音だ。
鐘の音がしばらく耳に残る。
桜の時期は圧倒的だと聞いていたが、行ったのは初夏。
青もみじが水辺に映えている。
それはそれで、静かで好きだ。
入園料600円。
JR・京阪「大津駅」「三井寺駅」どちらからも歩いて行ける。