フェリーの甲板に立った瞬間、見える。 海の向こうに、円錐形の山がただそこにある。 雲もなく、波もおだやか。 利尻島は、近づくほどに大きくなる。 観光地らしい派手さは何もない。 それなのに、なぜかもう一度来たいと思わせる島だ。
利尻島のおすすめスポット
利尻山|朝3時に出発して、やっと見えた景色がある
登山口は北麓野営場。
標高1721m、往復10〜12時間のコースだ。
夜明け前の3時に出発した。
ヘッドライトの光だけを頼りに歩く。
足元は火山礫で滑る。
なかなかしんどい。
8合目あたりで振り返ったとき、息が止まった。
オホーツク海と日本海が両側に広がっている。
島の輪郭が、朝日にくっきり浮かんでいた。
山頂付近は風が強い。
10月は雪もある。
ご来光を狙うなら7〜8月がいい。
晴天率は高くない。
3回登ってやっと晴れ、という地元ガイドの話を聞いた。
それでも登りたくなる山だ。
下山後、足は笑っている。
コンビニはない。
稚内から持ち込んだ食料が尽きた。
鴛泊港近くの食堂でウニ丼を食べた。
疲れた体に、甘みが染みた。
オタトマリ沼|風がやんだ瞬間だけ、逆さ利尻が現れる
島の南側にある沼だ。
バスで約30分、鴛泊港から向かった。
バスは1日数本しかない。
時刻表は事前にチェックしておくべきだ。
沼のほとりに立ったとき、風がない。
水面に利尻山が映っている。
そのまま10分、動かずに見ている。
ガイドブックで何度も見た写真。
実物はもっと静かだ。
音がない。
観光客も少ない。
平日の午前中に行って正解だ。
周囲には木道が整備されている。
1周約20分。
エゾカンゾウが咲く7月は黄色い花が沼を囲む。
訪れたのは9月で、葉が色づき始めている。
それはそれで、よかった。
近くに売店がある。
ホタテのバター焼きが500円。
外で食べた。
風が冷たくて、でも気持ちよかった。
姫沼|朝7時、誰もいない沼は別の場所のようだ
鴛泊港から歩いて約20分。
その距離感がちょうどいい。
宿を出て、朝食前に向かった。
沼に着いたのは7時15分。
誰もいない。
ほんとうに、誰も。
水面は鏡のようだ。
オタトマリ沼より小さくて、木々に囲まれている。
利尻山の頂は雲の上にあった。
それでも十分だ。
1周約15分の木道コースがある。
シマリスが木道のそばをちょろちょろしている。
写真を撮ろうとしたら逃げた。
当たり前だ。
9時を過ぎると観光客が来始める。
バスツアーの団体もある。
早起きしてよかった、と心から思った。
姫沼は「静けさを買う場所」だ。
お金はかからない。
かわりに、少しだけ早起きする必要がある。
それだけの価値は、確実にあった。
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利尻島への行き方
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