能登半島の先端まで来ると、もう陸地はない。 海だけが広がる。 禄剛崎は、日本海と太平洋の潮が出会う場所だという。 そんな話を聞いてから、ずっと気になっている。 灯台までの道を歩きながら、風の強さで来たことを実感した。
禄剛崎のおすすめスポット
禄剛崎灯台|白い灯台の向こうに、海の果てが見える
駐車場から灯台まで、歩いて約10分。
坂道で、足元が砂利混じりになる。
それほど急ではないが、風が強い日は体が持っていかれそうになる。
到着した瞬間、思わず立ち止まった。
真っ白な灯台と、その背後に広がる水平線。
360度さえぎるものが何もない。
ここは「日本列島のほぼ中央」に位置するらしく、晴れた日には佐渡島が見えるという。
この日は少し霞んでいて確認できない。
それでも十分すぎるほどだ。
灯台は明治16年に建てられた石造りで、今も現役。
外壁の質感が独特で、近づくと手触りを確かめたくなる。
内部には入れないが、外から眺めるだけで時間が経つのを忘れた。
朝の8時台に着いたら、ほぼ誰もいない。
あの静けさは、早起きした者への特典だ。
禄剛崎|潮目が交わる岬で、風に立ち尽くす
灯台のそばから海岸線を見下ろすと、岩場が続いている。
遊歩道を少し歩くと、岬の先端に近い場所に出られる。
ここで気づいたのは、波の動きが複雑だということ。
右から来る波と、左から来る波がぶつかり合っている。
日本海側と太平洋側の海流が実際に交わっているのかと思うと、妙な興奮があった。
足元の岩礁には、釣り人が何人かいた。
聞けば、この潮目のおかげで魚が集まりやすいという。
地元の人にとっては普通の釣り場だが、初めて来た者には十分に神秘的な場所だ。
風はほぼ常に吹いている。
帽子は飛ばされると覚悟して来たほうがいい。
それでも、この場所に立ちたい理由がある。
海の広さを、体で感じられる数少ない場所だから。
夕方に来ると、沈む夕日が海面に映り込む。
その時間帯を狙う価値は十分にある。
狼煙の町|ここまで来ると、時間の流れ方が違う
灯台から降りてきて、集落を少し歩いた。
「狼煙(のろし)」という地名が気になっていたから。
住宅と漁港が混在する小さな町だ。
人口は数十人規模という話を地元の方から聞いた。
コンビニはない。
自動販売機が数台あるだけだ。
そんな中に、「道の駅狼煙」がある。
豆腐で知られる「すず塩田村」の塩や、地元産の大豆を使った豆腐が手に入る。
ここで買った揚げ豆腐を、その場で食べた。
海風の中で食べる揚げ豆腐は、価格300円ほどだが、記憶に残る味だ。
集落の中をゆっくり歩くと、かつての番所跡の石碑があった。
江戸時代に海上監視のための狼煙を上げていた場所だと書いてある。
この小さな岬が、ずっと昔から「端っこ」としての役割を持っていたことがわかる。
観光地としての賑わいはない。
それがここの本当の価値だ。
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禄剛崎への行き方
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