鞆の浦の港から、船で5分。 たったそれだけで、別の時間が流れる島に着く。 仙酔島には信号もコンビニもない。 あるのは岩と海と、風の音だけ。 「日本で最後に残った手つかずの浦」と呼ばれた場所が、ここにある。
仙酔島のおすすめスポット
五色岩|地球の裂け目みたいな岩肌に、言葉を失う
遊歩道を40分ほど歩いた先に、突然それは現れる。
赤、青、黄、白、黒。
5色の岩が、むき出しのまま海に向かって剥き出しになっている。
最初に見たとき、正直「岩じゃん」。
でも近づくと違う。
地層が褶曲して、色が縞模様に走っている。
1億年以上前の地殻変動がそのまま残っている、と後で知った。
足元はゴツゴツで歩きにくい。
サンダルは絶対にやめたほうがいい。
波が来るたびに岩が鳴る。
ゴン、という低い音が足に響く。
晴れた日の午前中が一番色が映える。
曇りの日はまた別の重さがあって、それも悪くない。
観光客は少ない。
むしろほとんどいない。
この規模の景色が、ほぼ独り占めできる。
それが一番の驚きだ。
田ノ浦海岸|透明度に、思わず声が出た
島の南側に回ると、いきなり海の色が変わる。
緑がかった透明な水が、白い砂の上に静かに広がっている。
瀬戸内海でこんな色が見られるとは思っていない。
夏場は海水浴ができる。
7月〜8月の週末は家族連れが来るが、それ以外の時期はほぼ貸し切り状態。
訪れたのは9月の平日だ。
砂浜に座って、ただぼーっとしている。
30分くらい、何もしない。
それが一番豊かな時間だ。
透明度が高いので、岸から少し入っただけで魚の影が見える。
シュノーケルを持っていけばよかったと後悔した。
浜辺に日陰はほぼない。
帽子と日焼け止めは必須。
水も売っていないので、事前に持参するのが鉄則。
鞆の浦側から見ると、この海岸は見えない。
島に渡って初めて出会える景色がここにある。
仙酔島遊歩道|静けさに慣れると、足音がうるさく感じてくる
島を一周する遊歩道は、全長約4km。
ゆっくり歩いて1時間半から2時間かかる。
舗装されていない区間が多い。
アップダウンもそれなりにある。
スニーカー以上の靴は必要。
途中に案内板は少ない。
でも迷うほど複雑でもない。
海を左に見ながら歩き続けるだけでいい。
驚いたのは、鳥の声以外に何も聞こえない区間があること。
波の音と、自分の足音と、風だけ。
スマホを見る気が起きなくなる。
そういう場所はなかなかない。
道中、廃墟になった宿泊施設の跡地を通る。
昭和の時代に栄えた痕跡が残っていて、少し切なくなる。
今も島には「ここから時が止まったまま」という感覚が漂っている。
それが仙酔島の正体だ。
都会のノイズを全部置いてきたい日に、ここに来るといい。
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仙酔島への行き方
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