たぬきの置物だけじゃない。 信楽に来て、そう気づいた。 登り窯の煙突が空に刺さる。 土の匂いが風に混じる。 窯元の路地を歩いていると、焼き物がただの「商品」じゃないことがわかってくる。 ここは、土と火と人が今も現役で動いている町だ。
信楽のおすすめスポット
信楽焼窯元|煙突の下で、土が器に変わる瞬間を見た
信楽の中心部を歩くと、いたるところに煙突がある。
高さ10メートルを超えるものもある。
まだ現役だ。
窯元「明山窯」では、飛び込みで見学させてもらえた。
職人さんが轆轤(ろくろ)を回す手を止めず、「どうぞ」と言った。
成形されたばかりの器が棚に並んでいた。
まだ白っぽくて、柔らかそうで。
これが焼かれると、あの渋い灰色になるのか。
信楽焼の特徴は「火色」と「自然釉」だと教えてもらった。
1200度以上の炎が、偶然の模様を焼きつける。
同じものは二つとできない。
工房に隣接したショップで小さな湯呑みを買った。
2,200円。
手に持つと、ずっしりと重かった。
この重さが、信楽の土の重さだ。
陶芸の森|丘の上に、窯と現代アートが同居している
「陶芸の森」という名前から、こじんまりした施設を想像している。
まったく違った。
広さ約17ヘクタール。
丘一面が公園になっていて、屋外に陶芸作品が点在している。
散歩しながら、気づいたら作品の前に立っている、そんな場所だ。
施設内の「信楽産業展示館」では、信楽焼の歴史が時系列でわかる。
縄文時代から始まった焼き物の話。
展示が多すぎず、1時間あれば十分だ。
いちばん驚いたのは「陶芸館」の体験工房だ。
電動轆轤と手びねりが選べて、60分2,500円。
予約なしで入れた。
轆轤は難しかった。
土が言うことを聞かない。
職人さんが「力を抜いて」と言う意味が、10分やってようやくわかった。
丘の上から信楽の町が見下ろせる。
煙突がいくつか見える。
MIHO MUSEUM|山の中に、こんな場所があっていいのか
信楽から車で20分ほど走ると、急に山が深くなる。
ナビを疑い始めた頃、駐車場に着いた。
そこから先が面白い。
電動カートに乗って、トンネルをくぐる。
出た先に、美術館がある。
設計はI.M.ペイ。
建物の80%が地中に埋まっている。
ガラスと鉄骨の屋根から光が降りてくる。
どこを見ても、静かで、美しかった。
所蔵品は古代エジプト、ギリシャ、ペルシャ、中国、日本。
国や時代がばらばらなのに、なぜかまとまって見える。
選び方の眼がある、。
入館料は1,300円。
決して安くはない。
でも、この山の中にこれだけのものを作った意味が、中に入るとわかる。
帰り、トンネルをまた歩いた。
さっきより、少し見え方が変わっている。
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信楽への行き方
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