新幹線を降りて、近鉄に乗り換えて、約2時間。 たどり着いた先は、海と空の境界線が曖昧な場所だ。 志摩は、派手さがない。 でもなぜか、もう一度来たくなる。 穏やかな英虞湾の光と、海女さんの笑い声が、ずっと頭に残っている。
志摩のおすすめスポット
英虞湾|リアス式の入り江に、夕陽が落ちていく
賢島エスペランサというホテルの展望台から見た。
時刻は17時ごろ。
英虞湾の複雑に入り組んだ海岸線に、オレンジ色の光が広がっていく。
リアス式海岸というのは、地図で見ると面白い形をしている。
実際に上から眺めると、島と入り江が重なり合って、奥行きが全然読めない。
遊覧船も出ている。
所要約50分、料金は大人1,600円。
乗ってみると、岸から見るより海がずっと近い。
波がほとんどなくて、湖みたいに静かだ。
真珠の養殖いかだが、あちこちに浮いている。
ガイドさんが「今も100年前と同じやり方です」と言った。
何百年も続いてきた景色の中に、突然自分が放り込まれた感じがした。
夕暮れ時が、いちばんきれいだ。
賢島|近鉄の終点に、小さな島がある
近鉄志摩線の終点「賢島駅」。
降りると、もうそこが島だ。
橋で繋がっているから「島」という感覚は薄い。
でも確かに、海に囲まれている。
島全体が歩いて30分もあれば一周できる規模。
観光地っぽい賑わいはなくて、静かな住宅地が広がっている。
そのギャップが、なんか好きだ。
2016年のG7サミット開催地でもある。
駅の構内に当時の写真が飾ってあって、この小さな島に世界の首脳が来たのか、と妙にリアルに感じた。
島の先端まで歩くと、英虞湾が目の前に広がる。
風が強くて、少し冷たい。
観光客は自分だけで、釣りをしているおじさんが1人いた。
ここまで来てよかった、とそのとき思った。
パンフレットには載らない、ぼんやりした時間が過ごせる場所。
海女小屋体験|炭火の前で、90分かけて話を聞いた
正直、「体験」という名前に少し身構えている。
よくある観光向けの演出かな、と。
全然そんなことはない。
海女小屋は、実際に使われてきた作業小屋。
中に入ると炭火が焚いてあって、じわじわと温まる。
70代の海女さんが、淡々とアワビを焼いてくれた。
料金は1人4,400円〜(施設・内容によって異なる)。
90分のコースで、焼き牡蠣・伊勢エビ・サザエなどが出てくる。
食べながら、海女さんが話してくれる。
「素潜りで、冬でも潜るよ」
「今は若い子がおらんからね」
その声が、全然悲しそうじゃない。
こういう場所に来ないと聞けない話がある。
帰りの電車の中でも、その言葉が頭の中にあった。
観光というより、会いに行く感覚に近かった。
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