瀬戸内海に浮かぶ、小さな島。 フェリーで笠岡から約30分。 たどり着いた先に、あの透明な海があった。 観光地化されすぎていない。 でも、何度でも来たくなる。 白石島は、そういう島だ。
瀬戸内の夏、白石島は輝いている。白砂の浜では、瀬戸内海で最も美しいビーチの一つ・白石島海水浴場が旅人を待つ。かつて石切場として栄えた島は、その歴史を石跡に刻み込んでいる。開龍寺の瓦葺き屋根は海の青と呼応するように建っている。浜では砂浜の温もり、海水の塩辛さ、そして遠くから吹く瀬戸内の湿った風が身体を包む。採石の歴史を感じさせる露出した岩肌、そこからこぼれ出す島の時間は、昭和へ、明治へ、さらに遠い過去へと繋がっているようだ。都会から逃げてきた旅人が、再びここで時間の重さと海の優しさを思い出す場所。
白石島のおすすめスポット
白石島海水浴場|瀬戸内で、こんなに透けた海に出会うとは思っていない
砂浜に降り立った瞬間、足が止まった。
水が、透けている。
岩が、海底まではっきり見える。
瀬戸内でこの透明度は、正直予想外だ。
砂浜の長さは約800メートル。
夏の最盛期でも、都市部のビーチほど混まない。
シートを広げる場所に困ることはない。
水温は7月下旬で28度前後。
子どもが浅瀬でずっと遊んでいた。
親が呼んでも、なかなか上がってこない。
その気持ちは、わかる。
売店は浜沿いに数軒。
かき氷が350円。
シュノーケルセットのレンタルもある。
岩場の近くで潜ると、魚の群れに囲まれた。
午前中の光が、特によかった。
海面がきらきらして、目が痛いくらいだ。
それでも、ずっと見ていたかった。
開龍寺|島の高台に、静かに古いものが残っている
海水浴場から歩いて15分ほど。
坂道を上がっていくと、急に空気が変わった。
開龍寺は、島で最も古い寺のひとつだ。
創建は奈良時代とも伝わる。
その話が本当かどうかは別として、境内の古さは本物だ。
苔むした石段。
木々の隙間から差し込む光。
セミの声だけが響いている。
本堂の中は薄暗くて、ひんやりしている。
夏の島で、こんなに涼しい場所があるとは思わない。
境内から海が見える。
白石島の集落と、その先に広がる瀬戸内の島々。
この景色を、何百年も前の人も見ていたのかと思うと、なんだか不思議な気持ちになった。
観光客はほとんどいない。
静かに手を合わせて、また坂を下りた。
あの静けさは、海水浴とセットで来てこそだ。
白石島の石切場跡|こんなところに、歴史が剥き出しで残っている
島の名前の由来は、白い石だ。
江戸時代から昭和にかけて、ここで花崗岩が切り出された。
大阪城の石垣にも、この島の石が使われたという。
石切場跡は、島の北側にある。
案内板に沿って歩くこと約20分。
たどり着くと、岩肌がそのままむき出しになっている。
切り口が、鋭い。
何百年前の作業の痕跡が、雨風にさらされながらも残っている。
誰かが削った跡が、岩に刻まれたまま止まっている。
観光地として整備されているわけではない。
説明板があるだけで、柵もない。
そのぶん、すぐそこまで近づいて触れる。
石の冷たさが、手のひらに伝わった。
夏の日差しの中で、ここだけ時間が止まったみたいだ。
こういうものが、島の奥にひっそりある。
それが白石島の面白さだ。
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白石島への行き方
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宿数が少ないため早めの予約を。
岡山を拠点に白石島へ日帰り・宿泊の旅も便利です