石と水の音だけが聞こえる場所がある。 山梨市から車で30分も走れば、別の時間が流れている。 昇仙峡はそういう渓谷だ。 紅葉の季節は11月上旬が本番。 冬の空気が澄んだ日は、岩肌の色がまるで違って見える。 ここに来て、はじめて「渓谷ってこういうものか」とわかった。
昇仙峡のおすすめスポット
仙娥滝|落差30m、音で存在を知る滝
遊歩道を歩いていると、急に轟音が大きくなる。
滝に着く前に、体が感じ取る。
仙娥滝は落差約30m。
日本の滝百選にも選ばれている。
でも、数字じゃ伝わらない。
水量が多い日は、飛沫が顔まで届く。
10月下旬に訪れたとき、周囲の紅葉と岩肌の組み合わせが信じられないくらいきれいだ。
近づくほど視野が滝に占領されていく。
そういう圧倒され方をする場所は、そう多くない。
滝壺の近くには石段がある。
足元は濡れていることが多いので、スニーカーより登山靴がいい。
サンダルで来ていた観光客が足を滑らせている。
朝8時台に着くと人が少ない。
紅葉ピーク時の昼間は、滝の前で写真を撮る列ができる。
早起きを強くすすめる。
覚円峰|ここだけ時代が違う、と思った
昇仙峡の象徴的な岩峰。
高さは約180m。
垂直に切り立った花崗岩の塊が、渓谷の真ん中に立っている。
初めて見たとき、「作りものっぽい」。
そのくらいシルエットが完璧すぎる。
覚円峰という名前は、修行僧の覚円がこの岩の上で修行したことが由来らしい。
見上げながら、そんな話を思い出すと少しだけ怖くなった。
遊歩道から正面に見えるスポットがいくつかある。
その中でも「石門」の手前あたりが、個人的には一番きれいに見える角度だ。
秋の午後、西日が岩肌に当たる時間帯は特にいい。
オレンジと灰色の対比が、写真より実物の方が断然きれいだ。
冬は葉が落ちて、岩の存在感がさらに増す。
余計なものがない分、形だけが浮かび上がる。
そういう見え方もある。
昇仙峡ロープウェイ|5分で、山の上に出る
仙娥滝のすぐ上に乗り場がある。
片道5分。
山頂駅の標高は約1,058m。
ロープウェイに乗ったのは11月初旬の朝。
気温は麓より4〜5度低かった。
フリースだけで来た自分を少し後悔した。
山頂からの眺めが、想像以上だ。
富士山が見える日は、かなり遠くまで見渡せる。
晴れていればの話だが、その晴れた日に当たった。
山頂には「パノラマ台」という展望スポットがある。
岩の上に立つと、南アルプスと甲府盆地が同時に見える。
「ああ、山梨ってこういう地形なんだ」と初めて納得した。
所要時間は山頂散策込みで約1時間あれば十分。
混雑する季節の週末は、乗り場に30〜40分並ぶこともある。
開場直後か、夕方遅めに行くのがいい。
冬季は積雪状況によって運休することがある。
訪問前に公式サイトの確認を忘れずに。
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昇仙峡への行き方
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