寒いのに、来てしまった。 標高2,156mの稜線を目指して、真冬の飛騨へ。 北アルプスの懐に入ると、空気が変わる。 白く静まり返った山並みを前にすると、 なぜかほっとする自分がいた。 温泉があって、山があって、古い宿がある。 それだけで十分だと気づく旅だ。
飛騨高山(北アルプス側)のおすすめスポット
新穂高ロープウェイ|雲の中へ、2本乗り継いで辿り着く白い世界
第1ロープウェイで鍋平高原まで上がり、
歩いて乗り継ぎ、第2ロープウェイへ。
この「乗り継ぎ」が地味にしんどい。
雪道を5分歩く。防寒必須。
第2便のゴンドラが動き出した瞬間、
木々が消えて視界が開く。
眼下に広がる奥飛騨の山々。
正面には槍ヶ岳のシルエット。
山頂展望台に出たとき、風速が体感でわかった。
マイナス15度近い日だ。
5分も外にいると指先の感覚がなくなる。
それでも、誰もが写真を撮り続けている。
冬季は8時30分から運行開始。
往復料金は大人3,300円。
混雑は10時以降に増すので、
開業直後を狙うのが正解だ。
天候で急に運休になることもある。
ロープウェイ公式サイトで運行状況を必ず確認してから向かうこと。
平湯温泉|バスターミナル横の露天風呂で、山の疲れをほどく
新穂高から戻ってくると、身体が冷え切っている。
そのまま平湯バスターミナル横の
「平湯の森」に飛び込んだ。
入浴料は600円。
タオルを忘れても200円で買える。
とにかく安い。
広大な敷地に露天風呂が点在している。
乳白色の湯が、もうもうと湯気を上げている。
外気温はマイナス圏。
湯に肩まで浸かると、声が出た。
泉質は硫黄泉。
肌にぬるっとした感触が残る。
入浴後30分は身体がぽかぽかした。
ただし混浴ではなく男女別。
脱衣所にドライヤーもある。
観光客より地元の人が多い雰囲気で、
余計なざわつきがない。
静かに湯に浸かっていると、
雪が舞い始めた。
それだけで、旅に来た意味があった気がした。
福地温泉|夜の「朝市」と、囲炉裏と、誰も教えてくれなかった静けさ
平湯から車で10分。
福地温泉は、知らないと通り過ぎる集落だ。
旅館が数軒、小さな公衆浴場、そして「朝市」。
ここの朝市は朝7時からで、
野菜や漬物が並ぶ。
冬は参加者が減るが、それがいい。
泊まった宿は「山里のいおり 草円」。
夕食は囲炉裏を囲む形式で、
飛騨牛、岩魚の塩焼き、朴葉みそ。
炭火の熱が顔に当たりながら食べる。
これ、ずっと覚えている。
温泉は源泉かけ流し。
無色透明で肌触りがやわらかい。
夜11時まで何度でも入れた。
福地温泉には外灯が少ない。
夜は本当に暗い。
星が見える。
新穂高の迫力とはまったく違う、
静かな時間がここにある。
高山市内から車で約1時間。
松本方面からも意外にアクセスしやすい。