新幹線を降りて、在来線に乗り換える。 そこからさらに1時間ちょっと。 竹原は、少し手間をかけた先にある町だ。 でも着いた瞬間に、その手間ごと好きになった。 時間の止まった路地。 塩の匂いのする風。 ここには、急いで消費するものが何もない。
竹原のおすすめスポット
町並み保存地区|江戸時代の路地に、ひとりで迷い込む
メインストリートの長さは、歩いて10分もない。
それなのに、2時間以上いた。
格子窓の家が並ぶ通りは、ほんとうに静かだ。
観光地によくある「にぎわい」がない。
だからこそ、細部が目に入ってくる。
軒下に干された洗濯物。
半開きのガラス戸の奥に見えた仏壇。
ここにはまだ、人が暮らしている。
塩田で栄えた江戸〜明治の建物が、修復されながら現役で残っている。
木の色も、石畳の凹凸も、本物だ。
コーヒー1杯400円の古民家カフェがあった。
縁側に座って、誰とも話さず30分過ごした。
それが、この町の正しい楽しみ方な気がした。
普明閣|石段を上った先で、町が一枚の絵になった
町並み保存地区の端に、急な石段がある。
看板を見なければ、見落としている。
普明閣は、京都の清水舞台を模して建てられたお堂だ。
1758年建立。
竹原の人たちが江戸時代から登ってきた場所。
石段は急で、数えたら73段あった。
息が上がりかけたところで、視界が開ける。
眼下に、さっきまで歩いていた瓦屋根の町。
その向こうに、瀬戸内の海。
島影がぼんやりと霞んでいた。
夕方16時ごろに登ったら、逆光で町全体がオレンジ色に染まっている。
誰もいない。
しばらく、ただ立っている。
ここは、竹原に来たなら絶対に登ってほしい。
無料で、この景色が見られる。
竹鶴酒造|ニッカの原点は、この小さな蔵にあった
あのマッサンの生家だ、と思うとちょっと身構えた。
でも実際は、拍子抜けするくらい普通の、町の酒蔵だ。
竹鶴酒造は、現在も日本酒を造り続けている。
創業1733年。
正面の白壁に「竹鶴」の文字。
それだけで、なんだか緊張した。
売店で試飲させてもらえた。
「竹鶴 純米」を一口。
すっきりしていて、でも芯がある味だ。
店のスタッフがさらっと教えてくれた。
「政孝さんはここで育って、スコットランドでウイスキーを学んで、ニッカを作ったんです。」
パンフレットより、その一言のほうが刺さった。
720ml瓶を1本買った。1,500円くらい。
荷物になるけど、迷わず買った。
帰りの電車で、正解だ。
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竹原への行き方
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