標高1,700メートル。 そこに、東京の喧騒とはまったく別の時間が流れている。 蓼科は「おしゃれなリゾート」でも「有名観光地」でもない。 森があって、湖があって、温泉がある。 ただそれだけなのに、帰りたくなくなる場所だ。
蓼科のおすすめスポット
蓼科湖|朝の6時、湖面には誰もいない
周囲約1キロの小さな湖だ。
「こんなもんか」と思って近づいた。
ところが、朝霧の中の蓼科湖は別物だ。
湖面がほぼ完全に静止している。
対岸の針葉樹が、そのまま水に映っている。
シャッターを切る音すら、申し訳ない気がした。
ボート乗り場は9時オープン。
料金は手漕ぎで30分600円。
観光地価格でもなく、安すぎるわけでもない。
ちょうどいい。
湖畔をひとまわりして20分ほど。
ベンチが数カ所あって、コーヒーを持ち込んで座っている人がいた。
それが正解だと気づくのは、自分も同じことをやってみてからだ。
ゴールデンウィークでも混みすぎない。
それが、この湖の最大の美点だ。
八ヶ岳自然文化園|動物より、あの空気を吸いに行く場所
正直に言う。
最初は「動物園でしょ」。
着いてみると、規模が想像と全然違った。
敷地面積は約30ヘクタール。
園内を歩くだけで軽いトレッキングになる。
アルパカがいる。
ゴマフアザラシがいる。
レッサーパンダもいる。
でも、ここの主役は動物じゃない気がした。
木と、空と、八ヶ岳の稜線だ。
入園料は大人410円。
安い。びっくりするくらい安い。
それで半日つぶれる。
子連れのファミリーが多かったが、ひとりで来ている人も見かけた。
わかる気がする。
ここは「見る」場所じゃなくて「いる」場所だ。
昼前に入って、芝生に寝転んで、気づいたら2時間経っている。
そういう場所。
親湯温泉|夜9時、貸切風呂に星空が映り込んでいた
蓼科温泉郷の中でも、親湯は少し奥に入る。
樹齢200年以上の唐松林の中に立っている宿だ。
チェックインして館内を歩くと、本棚が目に入った。
あちこちに本が置いてある。
図書室もある。
オーナーの趣味か方針か知らないが、読書する宿というコンセプトがある。
温泉は単純硫黄泉。
無色透明で、においも控えめ。
刺激が少ないから、長く入っていられる。
貸切風呂は1回50分。
予約制で、夜9時台を押さえた。
外気温は10度を下回っている。
湯から出ると、体から湯気が立った。
そのまま空を見上げたら、星が多すぎて笑えてきた。
翌朝、朝風呂に入った。
川のせせらぎが聞こえる。
他に誰もいない。
「また来よう」と声に出して言った。
独り言でも、そう思ったのは本当だ。
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