標高2,450m。 そこに、街がある。 ロープウェイを降りた瞬間、空気が変わった。 肺に刺さるような冷たさと、どこまでも青い空。 雪壁が20mを超える場所を、人間が歩いている。 この非日常は、乗り物を乗り継ぐだけで辿り着ける。 それが立山黒部の、ずるいところだ。
立山黒部のおすすめスポット
雪の大谷|頭上20mの壁が、5月に現れる
4月中旬から6月上旬だけ、ここに道が開く。
除雪した雪が両脇に積み上がり、高さは最大20mを超える。
壁に近づいて、見上げた。
首が痛くなるほど、上を見ても雪しかない。
スケール感がおかしい。
写真で見るのと、実際に立つのは全然違う。
圧迫感と開放感が同時にある、不思議な場所だ。
歩行者専用区間は約500m。
ゆっくり歩いて20分ほど。
壁に触れてもいい。
冷たさが、現実を確かめさせてくれる。
観光バスが通る道でもあるので、通過タイミングには注意が必要だ。
早朝8時台が一番すいている。
人が少ない時間に来ると、壁と自分だけになれる。
室堂|2,450mの地上に、別の世界があった
室堂ターミナルを出ると、視界が一気に広がった。
雪原と、剱岳の稜線と、どこまでも続く青空。
声が出ない。
ここが日本なのか、一瞬わからなくなった。
標高2,450m。
真冬の気温は−15℃を下回る日もある。
訪れたのは5月だったが、それでも体感気温は5℃前後。
防寒具なしでは無理だ。
「みくりが池」まで歩いて10分ほど。
池が凍ったまま雪に埋まり、立山が映り込む。
その構図が教科書みたいにきれいで、逆に笑えた。
ターミナル内には食堂と宿泊施設がある。
室堂に泊まると、早朝の雪原を独り占めできる。
日帰り客がいない時間の静けさは、別格だ。
黒部ダム|数字が、スケールを裏切らない
高さ186m。
日本最大のアーチ式ダム。
その言葉は知っていたけど、実際に展望台から見下ろすと足がすくんだ。
放流期間(6月下旬〜10月中旬)は毎秒10tの水が落ちていく。
その音が、体に響く。
ダムの上を端から端まで歩いた。
約500mあるが、歩いている間ずっと高度感がある。
湖面は青くもなく、緑でもない独特な色をしている。
なんと表現すればいいのか、今でもわからない。
ダム建設の歴史を伝える「黒部ダム資料室」が無料で見られる。
工事中に亡くなった171人のことを知ると、景色の見え方が少し変わった。
レストハウスのダムカレーは観光地価格だったが、食べておいて損はない。
立山ロープウェイ|8分間、空中に置き去りにされる
大観峰から室堂へ向かうルートで乗る。
全長約1.7km、高低差約500mを8分で結ぶ。
途中に支柱がない。
ゴンドラが揺れるたびに、足の裏がぞわっとする。
乗り物酔いしやすい人は注意が必要だ。
窓の外に広がるのは、雪の斜面と山の稜線だけ。
下界の音が完全に消える。
風があると、ゴンドラが横に大きく揺れる。
怖いか怖くないかで言えば、怖い。
でもその怖さが、景色のスケールを証明している。
乗車前に並ぶ時間が長くなることがある。
GWや紅葉期は1時間以上待つことも。
始発の7時台に乗るか、アルペンルートを逆回りにするのが正解だ。
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立山黒部への行き方
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