北海道

天売島

離島自然野鳥秘境

フェリーを降りた瞬間、風が変わった。 本州とも、北海道本土とも違う、塩と草の混ざった匂い。 天売島は、来ようと決めてから、ここに立つまでが長い。 だからこそ、着いたときの静けさが、妙に胸に刺さる。 世界有数の海鳥繁殖地。その言葉が、ここでは単なる説明じゃなくなる。

Best Season 5月下旬〜7月がベスト。 ウトウの帰巣、オロロン鳥の繁殖、この時期にしか重ならない。 8月以降は鳥が少なくなる。冬は基本的に渡航困難。

天売島のおすすめスポット

01

赤岩展望台|100メートルの断崖の上で、言葉を失った

島の北西端に立つ、赤茶けた岩の塊。

展望台、という名前がついているが、整備されたそれとは全然違う。

柵はあるが、その先は垂直に100メートル落ちている。

足元が少し崩れている。

恐る恐る端に近づいたら、眼下に日本海が広がった。

水の青さが、見たことのない濃さだ。

晴れていても霧が出る日がある。

この日はちょうど霧の切れ間で、利尻富士のシルエットが遠くに見える。

思わず声が出た。

港から歩いて約40分。

道は舗装されているが、後半はきつめの坂が続く。

運動靴は必須。サンダルで来ていた人が引き返している。

日没前後に来ると、空が赤く燃えて、それが岩肌に反射する。

その景色のために、2日目の夕方も足を運んだ。

■ 赤岩展望台 所在地:北海道苫前郡羽幌町天売島 入場料:無料 アクセス:天売港から徒歩約40分 ※ 柵より先への立ち入りは危険。強風時は要注意
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02

ウトウの巣穴群|夜8時、島が突然うるさくなる

日中の天売島は、拍子抜けするくらい静かだ。

海鳥の島、と聞いてきたのに、昼間はほとんど鳥の気配がない。

宿の人に「夜8時ごろ、西海岸に行ってみて」と言われた。

半信半疑で向かった。

まず、音が来た。

空が、鳴き声で埋まっている。

そしてシルエットが、暗い空に無数に浮かんだ。

ウトウが帰ってくる時間だ。

100万羽が繁殖するといわれる。

その数字は知っていたが、体で受け取るのは別の話だ。

足元にも巣穴がある。

うっかり踏みそうになって、ガイドの方に止められた。

観察ツアーへの参加が強くすすめられる。

羽幌沿海フェリー主催で、1人2,000円前後。

素人だけで行くと、鳥を驚かせてしまうらしい。

懐中電灯を持参する場合も、赤いフィルムを貼ることが求められる。

そういう細かいルールが、この島の誠実さだ。

■ ウトウ観察ツアー 主催:羽幌沿海フェリー / 島内ガイド団体 料金:2,000円前後(要確認) 時期:5月〜8月(帰巣は日没後) アクセス:西海岸エリア、港から徒歩20〜30分 ※ 単独行動は生態保護の観点から非推奨
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03

オロロン鳥繁殖地|「絶滅寸前」の鳥が、ここにだけいる

正式名称はウミガラス。

「オロロン」という鳴き声から、この呼び名がついた。

一時期、日本では絶滅寸前まで追い込まれた鳥だ。

天売島の西の崖、その一角だけに残っている。

双眼鏡を持って、崖の上の観察ポイントに立った。

ガイドの方が「あそこにいます」と指差した方を見た。

岩の隙間に、白黒の体が見える。

数羽だ。それだけだ。

その「それだけ」に、しばらく動けない。

個体数が増えているとはいえ、まだ数十羽規模。

世界的にも希少な繁殖地が、こんな小さな島にある。

観察は望遠鏡越しが基本。

近づきすぎない距離感が決まっている。

そのルールを守ることで、ここはまだ繁殖地であり続けている。

6月から7月が繁殖のピーク。

その時期に合わせて来るなら、早めに宿を押さえること。

島内の宿は少なく、夏は埋まるのが早い。

■ オロロン鳥繁殖地(ウミガラス) 所在地:天売島西側断崖エリア 観察時期:5月〜7月がベスト 入場料:無料(ガイドツアー推奨) 注意:繁殖地への立ち入り制限あり。望遠鏡・双眼鏡を持参推奨
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モデルコース

Day Trip 羽幌港8:00発フェリー→天売港着→ウトウ巣穴群・赤岩展望台散策→港周辺で昼食→15:00発フェリーで帰港。日帰りは体力的にタイト。
1 Night 1日目:赤岩展望台→宿チェックイン→夜のウトウ観察ツアー参加。2日目:早朝の西海岸散歩→オロロン鳥観察→昼の便で帰港。島の朝は別格の静けさだ。
Travel Tips 島内に商店はほぼない。 食料・飲み物は羽幌か乗船前に準備を。 レンタサイクルは宿か港で借りられる。 1日500円程度。島は一周約12キロ。 フェリーは季節・天候で欠航することがある。 帰りの便は必ず余裕を持った日程で組むこと。

天売島への行き方

Access Time
札幌から 約4時間
東京から 約5時間
obihiroから 約5時間
kushiroから 約5時間30分
kitamiから 約5時間30分
移動 羽幌港へ
移動 天売島へ

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