足元が、ない。 そう錯覚するほどの断崖に、思わず息を飲んだ。 東尋坊は「絶景スポット」なんて言葉では足りない。 波が岩にぶつかる音、潮の匂い、風の強さ。 五感ごと揺さぶられる場所だ。 福井市内から車で40分。 その距離を走る価値が、ここにはある。
東尋坊のおすすめスポット
東尋坊タワー|高さ55m、海の果てまで見渡す朝
タワーの入口は断崖のすぐそば。
エレベーターで55mを上がると、景色が一変する。
眼下に広がるのは日本海。
どこまでも青く、どこまでも続く。
料金は大人500円。
安い。正直、もっとしてもいい。
天気のいい午前中に登るのがベスト。
光が海面に反射して、水が白く光る瞬間がある。
その一瞬を見たくて、開館時間の9時ちょうどに入った。
タワーの展望台は風が強い。
帽子は飛ぶ。カメラのストラップはちゃんと巻く。
そういう場所だ。
観光客が増える前の静かな時間帯、
広い展望台をほぼ独占できる。
あの静けさと広がりは、なかなか体験できない。
断崖散策路|柵のない崖に立って、はじめてわかること
遊歩道を歩くと、いきなり柵がなくなる。
崖の縁が、むき出しのままそこにある。
足元を見た瞬間、膝が少し震えた。
高さは約25m。
真下には岩と海。
波が砕ける音だけが聞こえる。
地質的には国の天然記念物に指定されている。
1500万年前の火山活動でできた柱状節理。
そんな説明を読んでも、実際に立つまでは伝わらない。
散策路は片道約1km。
スニーカーで十分歩けるが、雨の日の岩場は滑る。
実際に足を踏み外しそうになった場所が2カ所あった。
夕方近くに歩くと、西日が岩肌を赤く照らす。
その色が、妙に現実離れしている。
昼と夕方、2回歩いてはじめて東尋坊の顔が見えた気がした。
人が多い時間帯を避けるなら、朝8時台がいい。
波音だけの断崖は、まったく別の場所になる。
芦原温泉|旅の疲れを落とす、ちょうどいい距離感
東尋坊から車で約25分。
芦原温泉は、ちょうどいい規模の温泉地だ。
大きすぎず、寂れてもいない。
旅館の数は30軒ほど。
夜の温泉街を歩いても、10分もあれば一周できる。
泉質はナトリウム塩化物泉。
肌がしっとりする感じが明確にあった。
断崖を歩いて張った体が、ゆっくりほぐれていく。
夕食は地元の海の幸が出た。
ズワイガニ、越前ガニ、甘エビ。
産地で食べる甲殻類の甘さは、東京で食べるそれとは違う。
値段は1泊2食で1万5千円〜3万円ほど。
旅館によって差がある。
朝の温泉街は静かだ。
7時台に外を歩くと、旅館の仲居さんが掃き掃除をしている。
その日常感が、なんとなく好きだ。
温泉に入って、飯を食って、寝る。
旅の本質みたいなものが、ここにあった。
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東尋坊への行き方
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