土の匂いがする町がある。 名古屋から電車で30分ちょっと。 そこに着いた瞬間、なんとなくわかる。 ここは今も、焼きものとともに生きている町だ。 煙突が空に刺さっていて、坂道の脇に割れた壺が積まれている。 観光地っぽくしようとした感じがしない。 そのぶんだけ、本物の気配がある。
常滑のおすすめスポット
やきもの散歩道|廃材と坂道が、なぜかひとつの風景になっている
全長約1.6km。
地図を片手に歩き始めると、すぐに迷う。
でもそれでいい。
迷った先に、面白いものが転がっている。
廃業した窯元の建物がそのまま残っていて、
壁には焼き損じのタイルが埋め込まれている。
土管が積まれた小道があって、
黒い猫が一匹、頂上に座っている。
観光用に整備されすぎていない。
そこが良かった。
歩いていると小さなギャラリーや雑貨店が出てくる。
陶芸家が自分で店番しているお店もあって、
話しかけると30分くらい話が続いた。
高低差があるので、歩きやすい靴で来てほしい。
夏の午前中が一番静かで、光がきれいだ。
ランチは散歩道沿いの古民家カフェが狙い目。
席数が少ないので11時台に入るのがおすすめ。
常滑焼|急須1本に、1000年分の話が詰まっている
常滑焼の歴史は平安時代にまでさかのぼる。
日本六古窯のひとつ。
そう聞いても最初はピンとこない。
でも実際に工房を見せてもらって、変わった。
職人が急須の蓋をひとつひとつ手で合わせていく。
0.数ミリのズレを指先で確かめながら。
その手の動きを見ていたら、
言葉より先に何かが伝わってきた。
常滑焼といえば朱泥の急須が有名で、
価格帯は1,000円台から数万円まで幅広い。
散歩道沿いの店で、2,800円の急須を買った。
今も毎朝使っている。
土産物として買うより、
使うものとして選んだほうが絶対に満足度が高い。
急須は実際に蓋を開け閉めして、手に持って選ぶこと。
重さと注ぎ口の角度で、使い心地がまったく変わる。
INAXライブミュージアム|タイルって、こんなに深かったのか
正直、最初は期待していない。
タイルの博物館、という言葉だけ聞いて、
そんなに面白いはずがない。
完全に間違いだ。
入館料は700円。
敷地内に6棟の展示建屋が点在していて、
2〜3時間は軽くかかる。
明治時代の窯が現役の形で保存されていて、
トンネル窯の中を歩けるゾーンがある。
天井が低くて、熱気の記憶みたいなものがまだそこにある。
タイルの展示では、世界各地の古いモザイクや装飾タイルが並んでいた。
2,000年前のものが、今もちゃんと色を持っている。
土を焼くということの強さを、初めて実感した。
ワークショップも充実していて、
タイルアート体験が1,500円から。
子ども連れのファミリーも多かったが、
大人が一人でいても十分すぎるくらい楽しめる場所だ。
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常滑への行き方
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