工場の煙突と、湖と、野外彫刻。 この組み合わせが宇部にある。 最初に聞いたとき、正直ピンとこない。 でも実際に来てみると、なんだかおもしろい街だ。 産業と芸術と自然が、不思議な距離感で共存している。 それが宇部という場所の正体だ。
宇部のおすすめスポット
ときわ公園野外彫刻|草の上に、アートが普通にある
入場料は大人280円。
そのくらいの気軽さで入れる。
だだっ広い公園の中に、彫刻がぽつぽつと置いてある。
ケースもない。
説明板もほぼない。
ただそこにある。
「UBEビエンナーレ」という国際彫刻展が母体で、
受賞作品が公園に残り続けているらしい。
1961年から続く歴史があるとは、歩きながら気づかない。
芝生の上で弁当を広げている家族のそばに、
金属の大きな塊が立っている。
その光景が妙にリアルで、好きだ。
アートを「見に行く」じゃなくて、
アートの中で時間を過ごす感じ。
そういう場所は、なかなかない。
常盤湖を背景に彫刻を撮ると、
なんとも言えない写真が撮れた。
ねらって撮れるものじゃない。
常盤湖|街の真ん中に、こんな湖があるのか
面積は約130ヘクタール。
とにかく広い。
宇部の市街地からそんなに離れていないのに、
湖畔に立つと静かだ。
風が吹くと水面がゆれて、
しばらく何もしないで見ている。
白鳥もいる。
近くまで寄ってくる。
えさは持っていなかったけれど、じっと見てきた。
湖の周りをのんびり歩いた。
1周するとそれなりに時間がかかる。
彫刻公園と合わせて半日は使える。
春は桜が咲いて湖に映り込む。
その時期は人が増えるだろうなと想像した。
来たのは秋の午後で、人が少ない。
それはそれでよかった。
湖を眺めながら、ここが炭鉱で栄えた街だったことを思う。
石炭産業が衰退して、その跡地が公園になった。
きれいな場所には、だいたい理由がある。
宇部興産工場群(夜景)|これは、別の惑星の光だ
夜、車で工場の近くまで行った。
18時を過ぎると、あたりが暗くなる。
そして光が、浮かび上がってくる。
煙突、タンク、配管。
すべてがライトで照らされて、
オレンジと白の光がもやの中に溶けている。
「工場夜景」という言葉は知っている。
でも実物はもっと、規模が違った。
宇部興産は1897年創業。
100年以上、ここで動き続けている。
昼間は白い煙が空に消えていくのを見ている。
夜はその同じ場所が、光の塊になる。
写真を撮るなら三脚が必要だ。
持っていなくて後悔した。
スマホだと手ブレして、あの雰囲気は半分も伝わらない。
工場内には入れないので、道路沿いや海岸線から眺める。
宇部港周辺が見やすかった。
風が強い日は寒い。
防寒は必須だ。