京都市内から電車で20分。 それだけで、空気が変わる。 宇治川のにおい、抹茶の緑、古い石畳。 「京都観光」の喧騒から外れた場所に、 これだけ深い時間が残っている。 世界遺産が2つある町なのに、妙に静かで、妙に地味で、それがいい。
宇治のおすすめスポット
平等院|10円玉の裏側に、本物がいた
入場料600円。
朝9時に着いたら、まだ人が少ない。
鳳凰堂を初めて見たとき、正直、拍子抜けした。
「あ、思ったより小さい」と。
でも池の前に立って、水面に映る姿を見た瞬間、
何かが変わった。
1053年に建てられた建物が、今ここにある。
その事実が、じわじわ来る。
内部拝観は別途300円で、1日に数回・人数限定。
チケット購入と同時に整理券をもらうこと。
これを知らずに並んで、入れなかった人を見た。
鳳翔館という宝物館も見ておくべきだ。
国宝の雲中供養菩薩像が52体、壁にずらり。
展示ケースなし、すぐ目の前に浮かんでいる。
ここが一番、息をのんだ。
庭に出ると、抹茶ソフトを売っている。
400円。
濃くて、苦くて、ちょうどよかった。
宇治上神社|観光客が来ない世界遺産
宇治川を渡って、細い坂道を上がる。
5分もあればたどり着く。
着いた。
だれもいない。
世界遺産なのに、売店もなく、案内板も最低限で、
神域の緊張感だけがある。
拝観料は無料。
本殿は日本最古の神社建築のひとつで、平安時代後期のもの。
でも「最古」という言葉より、建物そのものの佇まいが先に来た。
古びているのに、きちんとしている。
手入れされている、というより、守られている感じ。
境内に「桐原水」という湧き水がある。
宇治七名水で現存するのは、これだけ。
手をかざすと、冷たかった。
平等院の華やかさとは正反対の場所。
20分もあれば回り切れてしまうけど、
ここをすっ飛ばすのは、もったいない。
平等院から歩いて15分。
セットで来るべき場所だ。
源氏物語ミュージアム|千年前の物語が、急にリアルになる
正直、期待していない。
「文学館ってだいたい地味だよな」。
入館料600円を払って、奥に進む。
まず、復元された十二単の展示に止まる。
重さが13キロあると書いてあった。
あれを着て、畳の上を動いていたのか。
平安時代の女性の日常が、急に重さを持って迫ってくる。
源氏物語の舞台模型がある。
寝殿造の建物の中に、豆粒ほどの人形が配置されている。
あの「光源氏」が歩いた廊下の縮尺が、ここにある。
小説の中の話なのに、なぜか胸がざわついた。
映像シアターは20分ほど。
無料で見られる。
宇治十帖の世界観を映像で追うと、
宇治川沿いを歩いたときの記憶が、意味を持ち始める。
ミュージアムを出た後、川沿いをもう一度歩いた。
同じ風景なのに、少し違って見える。
そういう場所だ。
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宇治への行き方
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