鳥取に、こんな海があったのか。 そう思った瞬間が、忘れられない。 透明度が高すぎて、船底から海底が見える。 エメラルドグリーンというより、もっと複雑な色。 岩と光と水が混ざって、言葉にならない色をしている。 山陰というイメージを、浦富海岸は静かに裏切ってくる。
浦富海岸のおすすめスポット
浦富海岸島めぐり遊覧船|船の上で、日本海の顔が変わった
乗船時間は約40分。
料金は大人1,500円。
それだけ聞くと、普通の観光船に聞こえる。
でも、出港してすぐに気づく。
ここの海は、ちょっとおかしい。
岩肌がせり出して、洞窟のように重なっている。
船がそこに入っていくと、急に光が変わった。
外の青から、岩の影のダークグリーンへ。
ひんやりした空気が頬に当たった。
鷹の巣岩や千貫松島など、奇岩が次々と現れる。
ガイドの説明は正直、半分しか頭に入らない。
それより、目の前の景色を追うのに必死だ。
晴れた日の午前中がいい。
光が海面に当たって、底まで見通せる。
水深があるのに、泳いでいる魚の影が見える。
それだけで、乗って正解だ。
城原海岸|誰もいない浜で、時間の感覚がなくなった
遊覧船の喧騒から少し離れたくなって、城原海岸へ向かった。
駐車場から歩いて5分ほど。
その道がすでに、非日常だ。
木立の間を抜けると、突然、浜が広がる。
シーズンオフの平日だったせいか、人が3人しかいない。
砂が白い。
砂粒が細かくて、踏むたびに音がした。
キュッ、キュッという音。
いわゆる「鳴き砂」に近い感触だ。
波は穏やかで、海の色は場所によって全然違う。
岩の近くは深い青。
浅瀬はほぼ透明。
その境界線がグラデーションになっていて、ずっと眺めている。
ここでやってほしいのは、何もしないこと。
海を見て、砂に座って、ただいる。
それだけで、来た意味があると思えた。
夏は海水浴客で賑わうらしいが、静かに来るなら5月か9月がいい。
網代港|観光地じゃない顔の、本物の漁港
浦富海岸のきれいな景色を見た後、網代港に寄った。
そこだけ、空気が全然違った。
漁師さんが網を直している。
小さな船が揺れている。
海の匂いが、さっきより塩辛い。
観光のために整備された港じゃない。
今も現役で、魚を獲っている場所だ。
港の近くに小さな直売所がある。
松葉ガニのシーズン(11〜3月)に来ると、水揚げされたばかりのカニが並んでいる。
この日は時期外れだったが、新鮮なイカと岩ガキがあった。
岩ガキ1個、300円。
その場で開けてもらって食べた。
ミルキーで、海水の味がした。
今まで食べたカキの中で、一番おいしかっただ。
港をぐるっと歩いて、30分もあれば十分。
でも、この30分が旅をリアルにしてくれる。
地元の人がいて、本物の海の仕事がある。
そういう場所に、旅の重さが宿る気がする。
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浦富海岸への行き方
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