岡山の小さな宿場町、矢掛。 新幹線も高速道路も関係ない。 のんびり在来線に揺られて降り立つと、 そこには江戸時代がそのまま残っている。 本陣・脇本陣ともに現存するのは、全国でここだけ。 それを知ったとき、行かない理由が見当たらない。
大屋根の軒下に入ると、木材の落ち着いた香りが漂う。白壁と格子窓の商家が連なる旧山陽道を歩けば、参勤交代の行列が通り過ぎる光景が自然と脳裏に浮かぶ。本陣と脇本陣がともに現存し、山陽道の宿場機能をほぼ完全な形で伝える希少さは矢掛ならではだ。築300年以上の矢掛本陣は西国大名が泊まった国指定史跡で、玄関をくぐった瞬間に空気が変わる。徒歩30秒の脇本陣、なまこ壁と白漆喰の街並み散策も欠かせない。観光客でにぎわうことが少なく、歴史の堆積を静かに体感できる。拠点は矢掛駅。レンタカーがあると移動がさらに楽だ。
矢掛のおすすめスポット
矢掛本陣(国指定史跡)|参勤交代の夜が、そのまま残っている
築300年以上。
玄関をくぐった瞬間、空気が変わる。
矢掛本陣は、西国大名が参勤交代の道中に泊まった宿。
江戸時代の現役の建物が、今もここに立っている。
上段の間に足を踏み入れると、思わず立ち止まった。
将軍や大名だけが使えた格式の高い部屋。
床の間、違い棚、書院窓。
全部が「本物」だと気づくと、鳥肌が立った。
案内の方が「この梁は江戸初期のものです」と教えてくれた。
触れてみると、ひんやりしている。
見学時間は1時間あれば十分まわれる。
料金は大人200円。
正直、安すぎる。
ここは観光地というより、生きた歴史資料だ。
矢掛脇本陣|本陣の隣で、もう一つの時代と出会う
本陣から歩いて30秒。
脇本陣がある。
本陣に入りきらない大名の家来や、次の宿泊者が使った施設。
両方が現存するのは、全国で矢掛だけと知って二度驚いた。
脇本陣は現在も「高草家住宅」として国の重要文化財に指定されている。
表構えの重厚さが、まず目に飛び込んでくる。
中に入ると、本陣とはまた違う空気がある。
商家の実用的な造りと、格式が混在している。
土間の広さに、当時の規模感を想像した。
ガイドの方が「大名行列は数百人規模でしたから」と話してくれた。
町全体が宿場だったというのが、初めて腑に落ちた。
本陣と脇本陣、セットで見てはじめて矢掛が立体的に見えてくる。
順番は本陣→脇本陣で。
矢掛の街並み散策|江戸と令和が、なんの違和感もなく並んでいた
本陣・脇本陣を出た後、ぶらぶら歩いた。
それが一番よかった。
旧山陽道沿いに、古い町家が続く。
格子窓、なまこ壁、白漆喰。
どれも現役で使われている。
パン屋が古民家の中にあった。
雑貨屋もあった。
コーヒーが飲める町家カフェも見つけた。
観光地として「整備された街並み」じゃない。
人が今も暮らしている場所に、旅人が混ざっている感じ。
その距離感が心地よかった。
歩くペースは、ゆっくり1〜2時間。
山に囲まれた盆地なので、風がやさしい。
夕方になると、山の影が町に落ちてきて、また表情が変わる。
急がなくていい場所だ。
矢掛は、そういう町だ。
モデルコース
矢掛への行き方
📍 Googleマップで見る →ビジネスホテルから旅館まで幅広い選択肢。
岡山を拠点に矢掛へ日帰り・宿泊の旅も便利です