石畳の路地に入った瞬間、時代が変わった気がした。 白い壁、黒い格子、ゆっくり流れる時間。 柳井は、江戸時代の商家町がそのまま残る街だ。 にぎやかな観光地じゃない。 だからこそ、来てよかったと思える場所だ。
柳井のおすすめスポット
白壁の街並み|江戸が、ここだけ時間を止めている
古市・金屋地区に入ると、空気が変わる。
約200メートルの通りに、白漆喰の商家が並ぶ。
観光客向けに整備された「古い町並み」じゃない。
今も人が住んでいる。
洗濯物が干してあって、自転車が立てかけてある。
そのリアルさが、妙に刺さった。
江戸末期から明治にかけて建てられた建物が、手を加えすぎずに残っている。
白壁と黒い格子の対比が、晴れた日の午前中にいちばん映える。
11時ごろがベストだ。
路地を一本入ると、さらに静かになる。
人とすれ違うことも少なくなる。
そこで初めて、この街の本質に触れた気がした。
ガイドブックに載っているのは表通りだけ。
裏道を歩いてこそ、柳井がわかる。
金魚ちょうちん|夜、街が別の顔になる
昼間に見た金魚ちょうちんは、正直かわいい民芸品だ。
ところが、日が落ちてからがちがった。
街灯の少ない路地に、赤くぼんやり光る金魚が浮かぶ。
風が吹くと、ゆらゆら揺れる。
思わず立ち止まった。
こわいくらい、きれいだ。
金魚ちょうちんは、約200年前から続く柳井の伝統工芸だ。
和紙と竹ひごで作られていて、職人の手仕事がそのまま灯りになる。
観光協会の売店では1個1,500円前後から購入できる。
お土産として買うより、灯りをともして飾りたくなるものだ。
毎年8月には「金魚ちょうちん祭り」が開かれる。
街中に数千個の金魚が灯るらしい。
その夜に来られなかったことが、唯一の心残りだ。
それだけのために、また来てもいいと思っている。
国森家住宅|商人の暮らしが、そのまま残っている
白壁通りの一角に、ひときわ重厚な門構えがある。
国森家住宅だ。
江戸時代の豪商・国森家の旧宅で、国の重要文化財に指定されている。
入館料は200円。
この価格で、江戸時代の商家の内部に入れる。
中に踏み込んで、まず天井の高さに驚いた。
大きな梁が通っていて、土間から続く空間がどこまでも奥深い。
ひんやりとした空気が漂っている。
案内してくれたスタッフの方が話してくれたことが印象に残っている。
「当時の柳井は、瀬戸内交易の要所だ。
ここの主は相当な財を持っていたはずです」と。
白壁の街並みが現存しているのも、そういう経済的な背景があったからだとわかった。
見学時間は30分もあれば十分だ。
でも、急いで出るのがもったいない空間だ。
縁側に腰かけて、中庭を眺める時間が好きだ。
モデルコース
柳井への行き方
HUB CITY
広島(拠点都市)から行ける旅先を見る →