小樽からさらに西へ、列車で30分。 余市は、静かに存在している。 ウイスキーの香りと、日本海の潮風と、雪が混ざる冬の空気。 派手さはない。 でも、一度来ると、もう一度来たくなる場所だ。
余市のおすすめスポット
ニッカウヰスキー余市蒸溜所|石造りの建物の中で、時間が止まっている
入場無料、というのに最初は驚いた。
そして、敷地に入った瞬間にもう一度驚く。
赤い屋根の石造りの建物が、雪の中に並んでいる。
ここは工場じゃない。
村だ。
蒸溜棟の中に入ると、ポットスチルが静かに立っている。
銅の色が、燻んで、渋くて、美しかった。
ガイドツアーは無料で1日数回。
所要時間は約70分。
蒸溜の仕組みを丁寧に説明してくれる。
ツアー後はウイスキー博物館へ。
創業者・竹鶴政孝の話は、何度聞いても胸に刺さる。
スコットランドで学んで、日本に戻って、ここに蒸溜所を建てた。
その選択の重さを、この場所に来て初めて実感した。
テイスティングは有料。
「余市シングルモルト」を一杯飲んだ。
冬の昼間に飲むウイスキーは、反則だ。
余市水産博物館|地味、だけど本物だ
ニッカ蒸溜所の向かいにある。
入館料200円。
正直、期待していない。
でも入ってみて、考えが変わった。
余市の漁業の歴史が、丁寧に展示されている。
ニシン漁で栄えた時代の話。
漁具の実物。
古い写真。
かつて余市は「鰊御殿」が建ち並ぶほど豊かだ。
その事実を、この小さな博物館で初めて知った。
展示のボリュームは少ない。
1時間もあれば十分に見て回れる。
でも、余市という土地を「理解する」には、ここが一番早い気がした。
スタッフのおじさんが話しかけてきた。
「最近は若い人も来るんだよ」と言っている。
余市の海の話を15分ほど聞かせてもらった。
それだけでも、来た価値があった。
柿崎商店|2階の食堂で、ウニ丼を食べた冬の昼
余市に来たら、ここには絶対に寄る。
地元の人も観光客も、みんなが知っている鮮魚店だ。
1階が鮮魚売り場。
2階が食堂。
冬の余市でウニが食べられる、というのは正直知らない。
「バフンウニ丼」を頼んだ。
3,000円台だ。
値段は時期によって変わる。
ウニがどっさり乗って出てきた。
一口食べて、声が出た。
甘くて、クリーミーで、塩気があって。
これが余市の海の味か。
食堂は混む。
特に昼は並ぶことが多い。
11時30分の開店に合わせて行くのが正解だ。
1階の鮮魚売り場も見ておいてほしい。
毎朝仕入れた魚が並んでいる。
冬はタラとカキが特に良かった。
買って帰りたくなるけれど、冷蔵の荷物は電車では辛い。
そこだけが悔しかった。