冬の日本海側は、曇ってる。 たいていそう。 でも米子には、その灰色の空が似合う。 温泉街の湯煙、崩れかけた石垣、妖怪たちの行列。 にぎやかなのに、どこかひっそりしている。 そのアンバランスさが、ずっと頭に残っている。
日本海の冬風が頬を刺すころ、皆生温泉の湯けむりが白く立ちのぼる。湯に身を沈めれば、雪化粧した大山が視界の先に静かに構えている。海辺の温泉と名峰、そして妖怪の町までひと続きに味わえるのは山陰の要衝・米子ならではだ。米子城跡に登れば石垣の上から城下町を一望でき、隣接する境港の水木しげるロードでは鬼太郎たちの妖怪ブロンズ像が石畳に並ぶ。冬の日本海に沈む夕陽を湯の中から眺める時間も格別だ。拠点は米子駅で、空の玄関は米子鬼太郎空港。周遊にはレンタカーの利用もおすすめ。
米子のおすすめスポット
皆生温泉|湯から上がると、目の前が海だ
チェックインは15時。
荷物を置いてすぐ、浴衣に着替えた。
皆生温泉は、日本海に面した温泉街。
砂浜まで歩いて2分もかからない。
源泉は塩化物泉で、肌がぬるっとする感じ。
いわゆる「あたたまる湯」で、冬に来て正解だ。
夕方5時ごろ、浴衣のまま砂浜に出た。
風が強くて、すぐ引き返した。
でも、その5分がよかった。
波の音、潮の匂い、湯上がりの体。
なんか、ぜんぶ正直になれる気がした。
温泉街自体はコンパクトで、大きな旅館が数軒並ぶ。
観光地感はあまりない。
それがかえって落ち着いた。
宿の夕食は松葉ガニのコース。
時期(11月〜3月)に合わせて来ると、値段は張るが後悔しない。
米子城跡|石垣だけが残っている。それで十分だ
天守は、もうない。
1873年に廃城令で解体された。
残っているのは石垣と、眺望だけ。
それでも登ってよかった。
麓の湊山公園から頂上まで、徒歩約20分。
冬の午前中、ほぼ誰もいない。
石垣が思った以上に大きくて、迫力があった。
積み上げ方が丁寧で、400年前の仕事だとは信じられない。
頂上から見える景色が、圧倒的だ。
中海、弓ヶ浜、大山。
晴れていれば大山に雪が積もっていて、白く光っている。
冬は空気が澄んでいるぶん、見晴らしがいい。
寒いけど、それを理由に来ない手はない。
入場料は無料。
駐車場もある。
アクセスがいい割に、人が少ない。
なぜ有名じゃないのか、正直わからない。
水木しげるロード(境港)|妖怪、177体いる。全部に名前がある
米子から境港まで、JR境線で約45分。
電車に乗ったら、車両がすでに妖怪だ。
水木しげるロードは、境港駅前から続く約800mの商店街。
道沿いに妖怪のブロンズ像が並んでいる。
総数177体。
数えようとして、途中で諦めた。
鬼太郎、ねこ娘、目玉おやじ。
メジャーどころはすぐわかる。
でも知らない妖怪のほうが多い。
それがまた面白い。
冬の平日に行ったら、人がほとんどいない。
妖怪の像と二人きり、みたいな状況が続く。
それはそれで不思議な体験だ。
水木しげる記念館は入場料800円。
展示の密度が高くて、2時間いた。
原画が生で見られるのが、想像より感動した。
ロードの入り口付近の店でゲタ焼き(タコ焼き)を食べた。
1舟400円。
普通においしかった。
モデルコース
米子への行き方
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