大阪から車で約1時間半。 そこに、白い岩肌の海岸線が突然現れる。 由良は、知る人ぞ知る場所だ。 観光地化されすぎていない。 そのぶん、海の本気が見られる。 紀伊水道に面したこの町で、半日ぼんやり過ごすだけで、何かがリセットされる感覚があった。
由良のおすすめスポット
白崎海洋公園|白すぎて、現実じゃないと思った
駐車場から歩いて数分。
それだけで、景色が一変する。
目の前に広がるのは、白い石灰岩の断崖だ。
高さは50メートルを超える場所もある。
青い海との対比が、異常なほど鮮やかで、思わず立ち止まった。
「日本のエーゲ海」という呼び名を聞いたことがあった。
正直、大げさだろう。
でも実際に立ってみると、あの表現が出てくる理由がわかった。
園内には遊歩道が整備されている。
崖の縁を歩くルートは、風が強い日は少し緊張する。
夏の午前中に行くと、光の角度が最高だ。
白い岩が眩しすぎて、目が追いつかないくらいに。
キャンプ場も併設されていて、宿泊もできる。
夜、あの白い崖の下で過ごすのは、どんな体験だろうと想像した。
白崎海岸|誰もいない朝に、波の音だけ聞いた
白崎海洋公園から少し外れた場所に、白崎海岸がある。
公園ほど整備されていない。
だからこそ、人が少ない。
朝8時ごろに着いたら、ほとんど誰もいない。
波の音と、風の音だけ。
それで十分だ。
石灰岩の岩場は、近くで見るとゴツゴツしていて、複雑な模様がある。
遠くから見る白さとは全然違う表情だ。
岩の隙間に小さなカニがいた。
しゃがんで、しばらく眺めている。
ここは観光スポットというより、海辺の空き地に近い雰囲気だ。
何かを「する」場所ではなく、ただいる場所。
そういう時間が、たまに必要になる。
足元が不安定なので、スニーカーは必須だ。
サンダルで来ると後悔する。
蘭島閣美術館|海を見ながら、絵の前に立つ
由良の町なかに、静かな美術館がある。
蘭島閣美術館。
地元の資産家・田村驥山のコレクションがベースだという。
外観は古い洋館風で、少し時代がかっている。
観光客が列をなすような場所ではない。
でも、だから落ち着いて見られた。
館内には日本画や洋画が並んでいる。
点数はそれほど多くない。
でも、海の近くで絵を見るという体験が、不思議と絵の印象を変える気がした。
窓の外に紀伊水道が見える部屋があった。
そこで立ち止まった時間が、一番長かった。
入館料は500円。
滞在時間は1時間もあれば十分だ。
でもそのぶん、余白がある美術館だ。
白崎を歩いて少し疲れた後に、ここで静かに座る。
その流れが、由良での正しい過ごし方だ。