那覇から船で2時間半。 フェリーが着く頃には、すでに別の時間が流れている。 粟国島には信号がない。 コンビニもない。 でも、それでいい。 むしろそれがいい。 人口300人足らずの島に、何度でも来たくなる理由がある。
粟国島のおすすめスポット
粟国の塩|海水を煮詰める、ただそれだけのこと
工場というより、小屋。
そう感じた。
粟国の塩の製塩所は、島の北側にひっそり建っている。
見学無料で、スタッフが声をかけてくれた。
作り方はシンプルだ。
東シナ海の海水を汲んで、平釜で炊く。
それだけ。
でも、それだけだから難しい。
一粒なめてみた。
しょっぱい、その一瞬後に甘みが来た。
普段使っている塩と、全然違う。
100gのパックが540円。
迷わず4袋買った。
島を出てから、あの甘みをずっと思い出している。
製塩所の隣に直売所がある。
ここでしか買えないものがある、という確信がある場所だ。
東海岸ビーチ|誰もいない、という贅沢
集落から歩いて20分。
看板はほとんどない。
それでも、砂浜に出た瞬間に「ここだ」とわかった。
7月の平日、午前10時。
人が、一人もいない。
砂が白くて細かい。
波は穏やかで、水が澄んでいる。
足首まで入っただけで、底まで見える。
サンゴのかけらが足に当たる感触。
浜辺に打ち上げられた貝殻。
誰も拾っていないから、全部残っている。
1時間、ただ座っている。
何かをする必要がない。
スマホの電波も、ほぼ入らない。
あとで島の人に聞いたら「あそこ、地元民もあんまり行かないよ」と言われた。
それが正解だ。
南集落|時間が止まっている、ではなく、時間が違う
石垣が続く路地に入った。
猫が一匹、こちらを見て動かない。
南集落は、島の南端にある。
赤瓦の家、シーサー、フクギの並木。
「昔ながらの沖縄」という言葉が浮かんだが、違う気がした。
ここは観光用に保存されているんじゃない。
今も、ちゃんと人が住んでいる。
夕方5時ごろ、おばあが縁側に座って海を見ている。
目が合ったので会釈すると、笑ってくれた。
それだけ。
でも、それだけで十分だ。
集落の端に小さなお墓がある。
海に向いて建っている。
島の人たちは、死んでも海を見ているんだな。
17時を過ぎると人影が消える。
島の夜は、思った以上に暗くて、静かだ。
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粟国島への行き方
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