東京から新幹線で約2時間半。 角館で降りた瞬間、空気が変わった。 ひんやりして、静かで、どこか懐かしい。 武家屋敷の黒板塀、湖の青、山の奥に湧く湯。 仙北には、急がなくていい時間が流れている。 それを知ってしまったら、もう一度来たくなる場所だ。
仙北のおすすめスポット
田沢湖|この青は、写真では絶対に伝わらない
湖畔に立って、最初に声が出た。
「青すぎる」と。
水深423m、日本一深い湖。
その深さが、あの色を作り出している。
天気によって色が変わると聞いている。
晴れた午前中に行ったら、コバルトブルーだ。
午後、曇り空の下で見たら、深い群青に変わっている。
同じ日に2回、全然ちがう湖を見た気分。
湖畔を一周するのに車で約20分。
自転車でゆっくり走るのが正直おすすめ。
レンタサイクルは湖畔に何軒かある。
電動で1日1,200円くらいだ。
たつこ像の前は観光客が多い。
少し外れた湖畔の木陰のベンチ、そこが最高だ。
誰もいなくて、湖の音だけが聞こえる。
ずっと座っていられる。
角館武家屋敷|時代劇のセットじゃなくて、本物だ
武家屋敷通りに入った瞬間、空気が変わった。
黒板塀が続いて、枝垂れ桜が頭上を覆って。
4月下旬に行ったので、桜が満開だ。
正直、息が止まった。
石黒家、岩橋家、青柳家。
複数の屋敷が公開されている。
青柳家の入場料は700円。
中に入ると武具や生活道具が残っている。
ガラスケース越しじゃなくて、実際の部屋に置かれている。
そのリアルさに少し怖くなった。
観光客が多いのは午前中。
夕方16時以降は人が減る。
黒板塀の路地を一人で歩けた。
自分だけの仙北になる感じがした。
お土産は武家屋敷通り沿いの小さな店がいい。
きりたんぽ、いぶりがっこ、稲庭うどん。
試食させてくれる店が多かった。
気づいたら荷物が増えている。
乳頭温泉郷|たどり着くのに時間がかかる。それが正解だ
田沢湖駅からバスで約50分。
山道をぐねぐね登って、やっとたどり着く。
鶴の湯、孫六、黒湯、蟹場、妙乃湯。
7つの温泉宿が点在している。
今回入ったのは鶴の湯。
宿泊は予約が数ヶ月待ちと聞いている。
だから日帰り入浴にした。600円。
露天風呂の底が白濁している。
足元から温泉が湧き出てくる。
硫黄の匂いが濃くて、最初はむせた。
でも10分浸かると、頭が空っぽになった。
12月に雪の中で入ったという人に会った。
「視界が真っ白になって、どこにいるかわからなくなる」と言っている。
それ、次回の理由になった。
日帰りは午前10時〜13時半(鶴の湯の場合)。
混む前に行くなら10時ちょうどがいい。
のぼせる前に上がって、湯上がりに飲む自販機の缶コーヒーが妙においしかった。