東北新幹線を一ノ関で降りて、在来線に乗り換える。 たった12分で、時代が変わる。 平泉は、900年前の記憶をいまも地面の中に持っている町だ。 派手な観光地とは違う、静かな圧力がある。 黄金の光と、苔むした庭と、岩に刻まれた仏たち。 一度来ると、なぜかまた来たくなる場所だ。
平泉のおすすめスポット
中尊寺金色堂|扉が開いた瞬間、息を呑んだ
金色堂は、建物の中に建物がある。
まず覆堂に入る。
そこに、ガラスケースで守られた金色堂がある。
正直、小さい。
縦横4.2メートルほどの、こぢんまりとした堂だ。
でも目が慣れてくると、そのすべてが金箔で覆われているとわかる。
柱も、壁も、天井も。
1124年に建てられたものが、ここに実在している。
その事実がじわじわと迫ってくる。
藤原三代のミイラも金色堂の須弥壇の中にある。
歴史の教科書で読んだ話が、3メートル先にあるという感覚はちょっと普通じゃない。
月見坂と呼ばれる参道を歩いて10分。
汗をかいた先に、あの金色がある。
入場料は大人1000円。
9時〜17時(11〜2月は16時30分まで)。
混雑を避けるなら平日の朝イチが断然いい。
毛越寺|庭を歩くと、なぜか黙りたくなる
金色堂ばかり有名だけど、毛越寺の大泉が池は本当に別格だ。
池の周囲を歩くコースが整備されていて、一周30分ほど。
ただ歩くだけなのに、なぜか足が止まる。
水面が静かすぎて、こちらの気持ちまで静まってくる感じがある。
平安時代には金色堂をしのぐ規模だったという。
今は礎石と池と、少しの建物しか残っていない。
でも「なかった」じゃなく「あった」の痕跡が、かえって想像力をかき立てる。
特におすすめは早朝。
観光客が少ない時間帯、池に霧がかかることがある。
その景色を見たくて、2回目も来てしまった。
5月に行われる「曲水の宴」は平安の宴を再現したもので、見ごたえがある。
拝観料は大人700円。
8時30分〜17時(季節により変動)。
達谷窟|岩山にめりこんだ堂が、ちょっと怖い
平泉の中心部から少し離れた場所にある。
バスかレンタサイクルで向かう必要がある。
そこにあったのは、断崖に張り付くように建てられた毘沙門堂だ。
岩そのものが崖になっていて、堂がめり込んでいる。
はじめて見たとき「こんな建て方あるのか」と声が出た。
坂上田村麻呂が建立したと伝わる、1200年以上前の場所。
岩壁には磨崖仏も刻まれていて、長年の雨風で輪郭がやわらかくなっている。
その古びかたが、リアルだ。
人が少ない。
静かすぎるくらい静かで、かすかに怖い。
でもそれが本来の霊場という感じで、好きだ。
駐車場あり。
入場料は200円と安い。
平泉駅からバスで約10分、岩手県交通「達谷窟」下車すぐ。
8時30分〜17時。
中尊寺|金色堂の前に、境内全体を歩いてほしい
金色堂だけ見て帰るのは、もったいない。
中尊寺の境内は広く、いくつものお堂が点在している。
月見坂を登りきると、まず讃衡蔵がある。
国宝や重要文化財が展示されていて、金色堂に収められていた仏像もここで見られる。
3000体を超える金色の阿弥陀仏は、圧巻だ。
境内を歩くと、杉の木が多い。
樹齢数百年の木がゴツゴツと並んでいて、それだけで時代の重さを感じる。
弁慶堂や白山神社など、見どころは多い。
全部回ると1時間半はかかる。
歩きやすい靴で来ることを強くすすめる。
拝観は無料だが、讃衡蔵・金色堂・経蔵のセット券は大人1000円。
一番好きだったのは、本堂近くで聞こえた読経の声が木立に吸い込まれていく瞬間だ。
あれは言葉にしにくい。
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