湯けむりが、町ごと白く染まる。 別府に着いた瞬間、空気が違うとわかった。 硫黄のにおいが鼻をついて、あ、来た、。 温泉地はたくさんあるけれど、ここまで「温泉が町に滲み出ている」場所はなかなかない。 地面の至るところから湯気が立ち、川沿いにも路地にも、蒸気が漂っている。 それだけで、もう十分すぎるほど特別な場所だ。
別府のおすすめスポット
地獄めぐり|これは観光地じゃなくて、地球の機嫌を見に行く場所
「地獄」という名前、最初は大げさだ。
実際に立ったら、言葉を失った。
海地獄は、コバルトブルーの水面が98度で煮えている。
晴れた日は色が際立って、きれいというより、怖い。
血の池地獄は赤茶色でドロドロと沸いていて、地底から何かが怒っているようだ。
7か所をめぐる共通券は2,200円。
全部回ると2〜3時間はかかる。
冬に来ると湯気の量がすごくて、視界が白くなる瞬間がある。
それが個人的に一番好きな光景だ。
夏は夏で、青空と青い水面のコントラストが鮮烈だ。
季節を変えてまた来たい、と思わせる場所。
そういう場所は、そう多くない。
鉄輪温泉|夕方5時、路地から湯気が出てくる
鉄輪(かんなわ)に着いたのは夕方5時ごろだ。
石畳の路地に、そこかしこから白い蒸気が漏れている。
地面に穴が開いていて、そこから温泉が吹き出している。
ここは「むし湯」が名物で、石菖という薬草を敷いた床に横になって、温泉の蒸気を浴びる。
料金はたった620円。
10分入っていたら、体の芯まで温まって動けなくなった。
近くの共同浴場「熱の湯」も150円で入れる。
地元の人が普通に来ていて、観光客の自分が少し申し訳なくなるくらい日常の場所だ。
地獄めぐりを終えた夕方、ふらっと歩いてここにたどり着くのが、別府旅の理想的な流れだ。
冬の夜、湯気に包まれた路地を歩くと、ここが現実かどうかわからなくなる。
湯布院|別府から30分、別の温泉世界がある
別府から車で30分ほど山を上がると、湯布院に出る。
同じ「温泉地」でも、空気がまったく違った。
由布岳を背に、霧が棚引く朝の金鱗湖は、黙って立ってしまうほどきれいだ。
特に冬の早朝、湖面から蒸気が上がる光景は7時前には見られる。
8時を過ぎると人が増えるから、早起きして行くのが正解だ。
湯の坪街道には雑貨屋や食べ歩きの店が並んでいて、つい時間を使ってしまう。
コーヒーショップ1軒に入っただけで1時間いた。
別府と湯布院は「セットで行く場所」ではなく、「別の旅先がたまたま近くにある」という感覚が正しい。
どちらかに1泊して、もう片方に半日だけ足を伸ばす。
そのくらいの距離感がちょうどよかった。
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別府への行き方
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