島に着いた瞬間、空気が変わる。 本土とは違う、どこか異国めいた湿度と風。 平戸は長崎県の北西端に浮かぶ島だ。 江戸時代、ここが日本の「外」への窓口だ。 その痕跡は今も、城にも、石畳にも、丘の草の上にも、ちゃんと残っている。
平戸のおすすめスポット
平戸城|海を背に立つ城が、思ったより近くにあった
橋を渡って島に入り、まず目に飛び込んでくるのが平戸城だ。
標高は約30メートル。
そこまで高くない。
でも、海との距離が近すぎて、なんだか浮いて見える。
天守に上がると、玄界灘が360度に広がった。
晴れていれば松浦の山並みも見える。
風が強い。
ずっと立っていられないくらい強い。
ここに藩主がいて、海を眺めていたんだと、妙にリアルだ。
入場料は520円。
9時から17時まで開いている。
混んでいる時間帯はほぼない。
平日の午前中に行ったら、天守に誰もいない。
それが逆によかった。
あの静けさは、混んでいたら味わえない。
オランダ商館|1639年に建てられた石の倉庫が、まだある
1639年に建てられた倉庫が、今も海沿いに立っている。
その事実だけで、ちょっとおかしい気持ちになる。
平戸のオランダ商館は、日本最古の西洋式石造建築のひとつだ。
外から見るとごつくて無骨で、港に馴染んでいる。
中に入ると、当時の交易品の再現や、オランダ東インド会社の記録が展示されている。
正直、展示の量は多くない。
1時間もあれば十分見られる。
でも、建物自体に価値がある。
石の壁の厚さや、窓の小ささ、天井の低さ。
ここに人が住んで、商売をして、異文化と交渉している。
すぐ前は港だ。
見学を終えてから、外のベンチに座って海を見た。
当時の船は、この景色の中から来たんだと、時間の感覚がおかしくなる。
川内峠|草原の向こうに海が見える。それだけで十分だ
平戸の山側にこんな場所があるとは、行くまで知らない。
川内峠は、標高約200メートルにある草原地帯だ。
車で上っていくと、急に視界が開ける。
木が消えて、草が広がって、その向こうに海が見える。
観光地らしい何もない。
案内板も、売店も、人もほとんどいない。
ただ風と草と、遠くの海がある。
春は野焼きのあとに緑が一斉に吹き出すらしい。
秋はススキが金色になる。
行ったのは10月の午後だ。
ススキが風に揺れていて、誰もいなくて、遠くに平戸大橋が小さく見える。
1時間ほど歩いた。
道はほぼ平坦で歩きやすい。
城もオランダ商館も見たあとに来ると、ここの静けさがより沁みる。
平戸で一番長く滞在したのが、ここだっただ。
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平戸への行き方
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