時間が、止まっている。 そう感じる町が、大分にある。 豊後高田は、昭和をそのまま封じ込めたような商店街と、 夕日が海を染める真玉海岸と、 千年前の仏が静かに座る富貴寺が、 ひとつの町に重なっている。 派手さはない。 でも、帰りたくなくなる場所だ。
豊後高田のおすすめスポット
昭和の町|駄菓子屋で10円のくじを引いた、午後2時
商店街に入った瞬間、空気が変わった。
アーケードの下に、昭和30年代の看板が並んでいる。
本物の店として、今も営業している。
そこがすごい。
「昭和ロマン蔵」という体験施設もあるけれど、
個人的に刺さったのは、商店街そのものだ。
おもちゃ屋に入ると、プラモデルが150円で売っている。
駄菓子屋では、本当に10円のくじがあった。
おじさんが無言で新聞を読んでいた。
わざとらしくない。
それだけで、全部が本物に見える。
昼ごはんは「千草」という食堂で食べた。
日替わり定食が750円。
おばちゃんに「どこから来たの」と聞かれた。
その会話が、いちばん昭和だっただ。
所要時間は2〜3時間あると、ゆっくり歩ける。
平日のほうが、生活の匂いがした。
真玉海岸|干潮の時間を調べてから行くべきだ
正直に言う。
最初、干潮の時間を調べていかない。
着いたら、海は普通の海だ。
きれいだけど、「あれ、こんなもんか」。
地元の人に聞いたら、「干潮の前後2時間が全然違う」と言われた。
翌朝、時刻表を確認してから出直した。
干潮は午前6時40分ごろ。
夜明けと重なっている。
海に着いたら、砂浜に無数の水たまりができている。
その水面が、空を鏡みたいに映している。
カメラを持って来ていたけれど、しばらく動けない。
足元に空があった。
夕日もすごいと聞く。
日の入り時刻は観光協会のサイトで確認できる。
駐車場は無料。
トイレもある。
干潮の時間だけ、必ず調べてから行ってほしい。
それだけで、別の場所になる。
富貴寺|1100年前の仏が、今日もそこにいる
山の中に、石畳の参道があった。
木漏れ日の中を歩いて5分。
急に、小さなお堂が現れた。
富貴寺大堂。
建てられたのは平安時代。
九州最古の木造建築のひとつ、と後で読んだ。
でも、知識より先に、体が止まった。
扉を開けると、阿弥陀如来が座っている。
像の高さは約83センチ。
大きくはない。
でも、視線が合うと、息をのんだ。
壁には平安時代の壁画が残っている。
色は薄い。
ほとんど見えないくらい薄い。
それでも、ここにある。
拝観料は300円だ。
観光地っぽい雰囲気が、まるでない。
管理している人もいるけれど、静かだ。
30分いた。
ほかに誰もいない。
その静けさが、1100年の時間と繋がっている気がした。
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