神様の山、というより、神様そのものの山だ。 出羽三山は、登って、祈って、汗をかいて、やっと少しだけ近づける場所だ。 観光地じゃない。修験の道だ。 それでも、行きたくなる。 あの空気を、もう一度吸いたくなる。
出羽三山のおすすめスポット
羽黒山五重塔|杉の森の奥に、それはひっそり立っている
随神門をくぐった瞬間、空気が変わった。
真夏でも、ひんやりしている。
樹齢400年を超える杉並木が、両側からおおいかぶさってくる。
石畳は2446段。
数字で聞くと覚悟するけど、実際は傾斜がゆるやかで、思ったより足にやさしかった。
五重塔が見えたとき、思わず声が出た。
国宝だと知っていても、関係ない。
森の中に突然現れる、あのスケール感。
室町時代から、ずっとここに立っていたのかと思うと、足がすくんだ。
冬の積雪期が、実はいちばん好きだ。
雪をかぶった五重塔の写真を撮りたくて、1月に再訪した。
早朝6時台に着くと、ほぼ誰もいない。
杉に雪が積もって、静寂が分厚かった。
防寒はしっかりと。足元はスパイク付きの靴が必須だ。
月山神社|8合目から上、そこは別の世界だ
7月でも、山頂付近には雪渓が残っている。
半袖で来ていたら、間違いなく後悔している。
月山は、夏でもフリース必携だ。
8合目の弥陀ヶ原から歩き始めて、約2時間半。
ひたすら石と雪と風だ。
ガスが出ると、10メートル先が見えなくなる。
それでも、足を動かすしかない。
月山神社の社殿に着いたとき、脚がガクガクしている。
お祓いを受けて(料金は500円)、中に入る。
カメラは禁止。写真は撮れない。
だからこそ、目に焼きつけた。
霧の中に浮かぶ社殿の輪郭。
風の音だけがある。
あの感じは、言葉にならない。
下山後、8合目の月山レストハウスで食べたカレーが、異常においしかった。
疲労と標高がスパイスになる。
そういうことだ。
湯殿山神社|「語るなかれ、聞くなかれ」の意味がわかった
湯殿山神社は、撮影禁止だ。
詳しい内容を話すことも、慣例として禁じられている。
そういう場所がある、ということだけ知って来た。
本宮までの参道、途中から裸足になる。
5月でも、足の裏が冷たかった。
じゃりじゃりした砂利の感触が、足裏から現実を引き戻してくる。
本宮でみたものは、書けない。
でも、「ああ、これが御神体なのか」と思った瞬間、なぜか泣きそうになった。
理屈じゃない。
帰り道、無口になる参拝者が多い。
そういう場所だ。
すぐそばに湯殿山参籠所がある。
宿坊として泊まれて、精進料理が出る。
1泊2食付きで1万円前後。
翌早朝、誰もいない参道を歩くのが、今のところ出羽三山でいちばんいい時間だ。
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出羽三山への行き方
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