潮の匂いが、鼻をついた瞬間に気づく。 ここは、島だ。 橋を渡っただけなのに、空気がまるで違う。 江の島はそんな場所だ。 神奈川にいながら、どこか遠くに来たような感覚。 坂を上れば神社、海岸まで歩けば洞窟、空に向かえば灯台。 小さな島に、一日では足りないくらいのものが詰まっている。
神奈川県藤沢市沖に浮かぶ小島で、弁天橋で本土とつながる。片瀬江ノ島駅から徒歩圏内、東京から約1時間20分で着く。島の縦軸をなす江島神社の参道は石段を上るごとに相模湾の眺めが開き、奥に進むと島の先端に岩屋洞窟がある。往復30分以上かかるが、島の端まで歩き切りたい。高台には展望灯台「シーキャンドル」が立ち、晴れた日には富士のシルエットを遠望できる。宿の岩本楼本館は登録有形文化財のローマ風呂で知られる老舗旅館で、片瀬江ノ島駅から徒歩約15分。夏の週末は弁天橋が混雑するため、9時台か16時以降の入島が賢い。石段を上り切った先の、青い海。
江の島のおすすめスポット
江島神社|石段を上るたびに、俗世が遠ざかっていく
弁天橋を渡って、商店街を抜けると石段が始まる。
急だ。思ったより、急だ。
両脇に土産屋が並んで、たこせんべいの香りが漂う。
観光地っぽいな、と思いながら上り続けると、急に雰囲気が変わった。
朱塗りの鳥居が現れた瞬間、空気が締まる感じがした。
奉安殿には妙音弁財天と八臂弁財天が祀られている。
ガラス越しに見る弁財天は、想像より小さくて、でも圧があった。
三つの社殿(辺津宮・中津宮・奥津宮)を順番に歩くのが正しいルートらしい。
奥津宮まで上がると、海が見える。
汗をかいて、息を切らして、やっと見える景色だ。
それがよかった。
エスカーという有料エレベーター(片道360円)もあるけれど、歩いて上ることをすすめたい。
体で感じてこそ、ここに来た意味がある気がした。
岩屋洞窟|海の底に、引っ張られるような感覚
島の先端まで歩くのは、正直きつかった。
奥津宮を過ぎて、さらに階段を下りて、また歩く。
往復で30分以上かかった。
でも、岩屋洞窟の入口に立ったとき、来てよかった。
磯の匂いと冷気が混ざった空気が、顔に当たってくる。
洞窟は全長152メートル。
中は暗い。本当に暗い。
蝋燭を一本渡されて(しかも自分で持って歩く)、ひとりで進む。
壁面には富士山の溶岩が露出していて、手で触れた。
冷たくて、ざらざらしている。
奥まで進むと龍の像があって、叩くと光る仕掛けになっている。
ちょっとびっくりした。
夏に行ったけれど、中は涼しかった。
暑さに疲れたら、ここに逃げ込むのもありだ。
入場料は500円。
混雑しているのに静かで、不思議な空間だ。
江の島展望灯台|夕暮れ前の16時が、いちばん正解だ
シーキャンドルという愛称で呼ばれている灯台。
高さは59.8メートル。
外階段をぐるぐる上ると展望台に出た。
風が強かった。
髪が全部持っていかれそうなくらい。
でも、その風の先に広がっていたのが、相模湾だ。
正直、海を見下ろす景色なんて想像通りだ。
全然違った。
富士山が見える。
薄い輪郭だけど、確かにそこにあった。
夕方16時頃に上ったのだが、光の色が変わり始めていて、海が金色に近くなっている。
展望台の入場は500円(エスカーセットだと900円)。
待ち時間は夏の昼間で20分ほどあった。
午前中より夕方前のほうが空いているし、光が綺麗だ。
混んでいる時期に行くなら、夕方を狙ったほうがいい。
あの光の色は、昼間には出ない。
モデルコース
江の島への行き方
📍 Googleマップで見る →現地の駐車場情報は公式サイトでご確認ください
宿数が少ないため早めの予約を。
藤沢を拠点に江の島へ日帰り・宿泊の旅も便利です