石巻港からフェリーで約25分。 たどり着く先は、人口100人ほどの小さな島。 江島には、余計なものが何もない。 牡蠣の香りと潮風だけが出迎えてくれる。 それがなぜか、妙に心地よかった。
江島のおすすめスポット
江島港|島に着いた瞬間、時間の流れが変わる
フェリーが岸壁に近づいてくる。
港には漁師さんが数人、作業している。
それだけの景色なのに、なぜか胸がざわついた。
観光地っぽさが、まるでない。
売店も、案内板も、ほとんどない。
あるのは漁具と、積み上げられたロープと、海の匂いだけ。
フェリーは1日3便。
9時台・12時台・15時台が目安になる。
乗り遅れると、次まで3時間待ちになる。
それを知ってから島を歩くと、妙に時間が大切になった。
料金は往復1,000円ほど。
この値段で来られる世界があることに、少し驚いた。
港を出て右に歩くと集落がある。
島の人とすれ違うたびに、自然と目が合う。
こっちから挨拶すると、ちゃんと返ってくる。
その小さなやりとりが、旅の最初の記憶になった。
牡蠣棚|海の上に浮かぶ、本物の産地がそこにあった
港から見渡すと、海の上に棚が並んでいる。
牡蠣の養殖棚だ。
三陸の牡蠣はよく食べている。
でも産地に来たのは、初めてだ。
地元の方に話を聞くと、震災で棚はほぼ全滅したという。
そこから10年以上かけて、今の景色が戻ってきた。
棚の数を見ながら、その時間の重さを少し想像した。
島内には直売所があり、旬の時期には牡蠣を購入できる。
11月〜3月が食べごろで、1盛り600円前後で買えた。
その場で殻を開けてもらって、そのまま口に入れた。
冷たくて、塩気があって、濃い。
東京で食べる牡蠣とは、明らかに違う味だ。
鮮度というより、海が近いことで何かが変わる気がした。
養殖棚の近くまで行ける遊歩道もある。
海の上に自分が立っているような感覚になって、少し怖かった。
高台展望台|島の端まで歩いた先に、見たことのない海があった
港から歩いて約20分。
舗装路が途切れて、細い山道になる。
息が少し上がったあたりで、急に視界が開いた。
牡鹿半島と、女川の方向と、太平洋が一気に広がる。
養殖棚が海の上にいくつも浮かんで、光が反射している。
風が強くて、帽子を押さえながら立っている。
ここまで来る観光客はほとんどいない。
展望台といっても、木の柵があるだけだ。
案内板も、ベンチもない。
その「何もなさ」が、逆にちょうどよかった。
天気がよければ金華山まで見えるという。
訪れたのは曇りの日だったけど、それでも十分すぎた。
下山するとき、ふと振り返った。
誰もいない展望台と、その奥の海だけがあった。
その景色を、しばらく忘れられそうにない。
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江島への行き方
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