福島県

二岐温泉

温泉秘境自然湯治

福島の山奥に、ひっそりと湯けむりが立ちのぼる場所がある。 二岐温泉。 アクセスも不便、派手な観光地でもない。 それでも、ここを目指す人が絶えないのには理由がある。 冬に来て、初めてわかった。 雪に埋もれた山あいで、ただ湯に浸かる。 それだけで、何かが溶けていく感じがした。

Best Season 冬(12〜2月)が断然おすすめ。 雪景色と露天風呂の組み合わせは唯一無二。 秋の紅葉シーズン(10月中旬〜下旬)も、山の色が鮮烈で美しい。

二岐温泉のおすすめスポット

01

旅館大黒屋|築100年超の板間で、時間の感覚がなくなる

国道から細い山道を30分ほど走る。

カーナビが「目的地周辺です」と言い出した頃、やっと看板が見える。

大黒屋は、江戸末期から続く宿だ。

ロビーというより「土間」に近い。

スリッパに履き替えた瞬間、床がきしんだ。

その音がなぜか心地よかった。

温泉は源泉かけ流し。

無色透明で、肌にぬるっとなじむ感触がある。

内湯は木造りで、湯温は42℃前後。

ずっと入っていられる。

食事は地のものばかりだ。

イワナの塩焼き、こんにゃく刺し、山菜の煮物。

華やかさはゼロ。

でも全部、ちゃんとおいしかった。

1泊2食で16,000円前後。

予約は早めに。

冬の週末は埋まるのが早い。

■ 旅館大黒屋 住所:福島県岩瀬郡天栄村二岐温泉 TEL:0248-84-2311 料金:1泊2食 16,000円〜(時期により変動) チェックイン:15:00 / チェックアウト:10:00 日帰り入浴:500円(要事前確認)
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02

二岐山登山口|雪道を1時間、誰にも会わない

標高1544m。

二岐山は、ふたつの峰を持つ山だ。

登山口は温泉街のすぐそこにある。

冬は当然、雪道になる。

軽アイゼンを持っていて本当によかった。

最初の30分は急登が続く。

息が上がる。

雪が深いところで膝近くまであった。

静かだ。

風の音だけが聞こえる。

1時間ほど歩いたところで、木の間から温泉街が見える。

湯けむりが白く漂っている。

その景色に、思わず声が出た。

山頂まで行くのは冬季には相当の体力がいる。

無理せず、途中の展望ポイントで引き返すのが現実的だ。

下山後の温泉が、信じられないくらい気持ちいい。

このセットがたまらない。

■ 二岐山登山口 住所:福島県岩瀬郡天栄村二岐温泉付近 標高:1,544m 登山口〜山頂:約2時間30分(夏季目安) 冬季注意:軽アイゼン・スノーシュー必携。単独行は避けること。 入山届:登山口付近のポストに提出を
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03

沢沿いの露天風呂|雪が降る中、川音だけが聞こえる

大黒屋の露天風呂は、沢のすぐそばにある。

夜、雪が降り始めた頃に入りに行った。

外気温はたぶんマイナス5℃以下。

脱衣所から出た瞬間、顔が刺さるように冷たかった。

でも湯船に入ると、体の芯まで熱が広がる。

そのコントラストが、もう言葉にならない。

川の音がずっと聞こえている。

ぼた雪が湯面に落ちてくる。

ほかに誰もいない。

30分くらいいた。

体感では10分だ。

時間の感覚が、完全にずれた。

こういう体験を、昔の人は「湯治」と呼んでいたんだ。

温泉に治してもらう、ということ。

現代人が忘れかけている感覚が、ここにはまだある。

■ 沢沿いの露天風呂(大黒屋) 場所:旅館大黒屋の敷地内 利用:宿泊者は無料(時間制の場合あり、要確認) 混浴・男女別:時間帯により異なる(要宿へ確認) 冬季:滑りやすいため足元注意。サンダルより草履推奨
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モデルコース

Day Trip 10:00 二岐山登山口出発 → 12:00 展望ポイントで折り返し → 13:30 大黒屋で日帰り入浴(要確認)→ 14:30 帰路
1 Night 1日目/14:00 大黒屋チェックイン → 15:00 内湯でまず温まる → 17:00 沢沿い露天風呂 → 18:30 夕食(イワナ・山菜)→ 就寝前にもう一風呂。2日目/7:00 朝風呂 → 8:00 朝食 → 9:30 二岐山登山口から雪道散策 → 11:30 チェックアウト・帰路
Travel Tips 冬の山道は凍結する。 スタッドレス必須、チェーンも念のため積んでおきたい。 携帯の電波はほぼ入らない。 地図は事前にダウンロードを。 湯治目的の長期滞在プランがある宿も多い。 2泊以上するとさらに深く、この場所の空気に馴染んでいく。

二岐温泉への行き方

ICカード利用可
Access Time
東京から 約2時間10分
水戸から 約2時間55分
前橋から 約3時間10分
高崎から 約3時間10分
甲府から 約3時間40分
鉄道 新白河駅へ
移動 二岐温泉へ

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