山形県のど真ん中に、夏でも雪が残る山がある。 月山。 標高1984m。出羽三山のひとつ。 でも、信仰とか修験道とか、そういう話より先に伝えたいことがある。 ここの空気は、ちょっとおかしい。 良い意味で。 雲の中に入ったまま降りてこない感覚が、ずっと続く。
月山のおすすめスポット
月山スキー場|7月に、雪の上に立った
リフトを降りた瞬間、笑ってしまった。
7月なのに、一面の雪。
ゴールデンウィークから8月上旬まで滑れるスキー場は、国内でもここだけだ。
ゲレンデの幅は狭い。
コースも短め。
でも、そんなことはどうでもよくなる。
周りの登山者、白装束の参拝者、スキーヤー。
この混在が、月山らしい。
リフト乗り場の売店でカップラーメンを食べた。
350円。
雪を眺めながら食べるカップ麺が、なぜこんなにうまいのか。
リフト券は1日券で2,700円(大人)。
シーズン中の晴れた日は、早めに動くこと。
午後は雲が上がってきて視界がなくなる。
それも含めて、月山だけど。
月山八合目|霧の中の、別の世界
バスを降りた。
周りが白い。
霧じゃなくて、雲の中にいた。
標高1,400m付近の八合目は、登山の起点でもある。
弥陀ヶ原湿原が広がっていて、木道を歩けるようになっている。
高山植物の種類が本当に多い。
名前を知らなくても、足が止まる。
黄色い小さな花が点々と続いている。
人はそこそこいるのに、静かだ。
風の音しか聞こえない瞬間が何度かあった。
頂上の月山神社まで行くには片道2時間半ほど。
お参りには別途500円の御祓い料が必要。
八合目の売店でなめこ汁を飲んだ。
200円。
体が温まった。
晴れていたら絶景なんだろうと思いながら、でも霧の月山も悪くない。
むしろ、この山らしかった。
志津温泉|小さな温泉街で、体を解く
月山スキー場の麓に、宿が数軒並んでいる。
それが志津温泉。
派手さはまったくない。
コンビニもない。
電波も弱い。
でも、それでいい。
泉質は弱アルカリ性の硫黄泉。
ぬるめの湯に長く浸かっていると、皮膚がすべすべになる気がした。
夕食は山菜料理が中心の宿が多い。
こごみ、ぜんまい、わらび。
東京では食べられない味がする。
宿の料金は1泊2食付きで1万2,000円前後が相場。
夜は本当に静かで、外に出ると星が見える。
翌朝、窓を開けたら山が目の前にあった。
朝7時。
誰もいない道を少し歩いた。
旅で一番好きな時間だっただ。