山の上に、城跡がある。 その石垣の奥に、神社がある。 猫が、いる。 唐沢山神社は、そういう場所だ。 栃木県佐野市の山中に突如現れる、戦国時代の面影と神域が混在した空間。 観光地らしさがほとんどない。 だから逆に、忘れられない。
唐沢山神社のおすすめスポット
唐沢山神社|石垣の先に、猫と神様が待っている
駐車場から歩き始める。
舗装された道が続くかと思いきや、すぐに石畳になる。
両脇に木が迫ってくる。
標高は242メートルしかない。
でも、空気が変わる。
石垣が見えてきた瞬間、思わず足が止まった。
これは城だ、と直感した。
実際、唐沢山城の本丸跡がそのまま神社の境内になっている。
戦国大名・藤原秀郷を祀るこの神社、創建は明治13年だが、石垣の年代はもっと古い。
境内に入ると、猫がいた。
1匹じゃない。
数えたら7匹いた。
石垣の上でくつろぐ猫、社殿の縁に座る猫。
完全に主のような顔をしている。
地域の人が世話をしているらしく、みんな人慣れしている。
本殿は小ぶりで、飾りすぎていない。
それがかえって、ここの空気に合っている。
静かで、古くて、どこか野生的だ。
観光客より猫のほうが多い日があっても、おかしくない。
天狗岩展望台|関東平野が、ぜんぶ見える
神社の境内をそのまま奥に進む。
案内板に「天狗岩」と書いてある。
行ってみた。
5分も歩かないうちに、視界が開けた。
関東平野がどこまでも広がっている。
晴れた日は東京スカイツリーまで見えるらしい。
この日は薄曇りで、スカイツリーは確認できない。
それでも十分すぎた。
標高242メートルとは思えない眺望だ。
周囲に遮るものがほとんどないせいだ。
城の見張り台として機能していた場所、という説明に納得した。
ここで弁当を食べている地元の人がいた。
「毎週来る」と言っている。
地元の人の「毎週来る」スポットは、だいたい本物だ。
岩の上に立つと風が強い。
スニーカーで来たが、もう少し歩きやすい靴のほうがよかった。
滑る岩場もある。
足元だけ注意が必要だ。
唐沢山の森|城跡トレイルを、ひとりで歩く
唐沢山は、実は登山道が整備されている。
神社だけで帰ってしまうのは、もったいない。
境内の北側から山道に入れる。
整備された遊歩道で、ぬかるみも少ない。
落ち葉の積もった道を踏みしめながら歩くと、城郭の痕跡があちこちに出てくる。
土塁の跡、堀切の跡。
戦国時代の土木工事が、そのまま残っている。
誰もいない。
平日の午前中だったせいもあるが、神社エリアと打って変わって静かだ。
鳥の声しか聞こえない区間が、かなり長く続く。
一周ぐるっと歩いて、約40〜50分。
距離にして2キロ前後だ。
体力に自信がなくても歩ける。
秋は紅葉が本当に美しかった。
11月上旬に行ったが、赤と黄色が石垣に映えている。
この組み合わせを見るためだけに、また来てもいい。
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唐沢山神社への行き方
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