川の上に、簾(すだれ)のように竹の罠が仕掛けられている。 そこに魚が集まってくるのを、じっと待つ。 大瀬観光やなは、そういう場所だ。 鮎が跳ねる音と、川のにおい。 テーブルに運ばれてくる塩焼きは、炭火で丁寧に焼かれている。 那珂川の岸に立つと、ここに来てよかったと、素直に思った。
大瀬観光やなのおすすめスポット
大瀬観光やな|川の上で、鮎が飛び込んでくる瞬間を見た
やなとは、川に竹で編んだ罠を仕掛けて魚を捕る、伝統的な漁法のことだ。
大瀬観光やなでは、その「やな場」を間近で見られる。
川幅いっぱいに広がる竹の台。
那珂川の流れに逆らって泳いできた鮎が、勢いのまま台の上に乗り上げてくる。
その瞬間を目にしたとき、思わず声が出た。
見られる時期は8月下旬から11月上旬ごろ。
水量や鮎の遡上具合によって、日によって全然違う。
運がいい日は、ひっきりなしに魚が飛び込んでくる。
川のそばに立つと、水しぶきと草の匂いが混ざった空気がある。
都市部では絶対に嗅げない匂いだ。
スマホをしまって、しばらく川を眺めている。
鮎料理|炭火で焼いた塩焼きは、それだけで完結している
席に座ると、川風がそのまま吹いてくる。
半屋外の食事スペースは、那珂川のすぐ脇にある。
頼んだのは鮎の塩焼き定食。
価格は2,000円前後が目安だ。
運ばれてきた鮎は、串が斜めに刺さって、姿焼きのまま。
皮はパリッと、身はほろっと崩れた。
内臓の苦みが、塩と合わさってちょうどいい。
わさびじょうゆで食べる刺身も、臭みが全くない。
川魚が苦手な人でも食べやすい。
隣のテーブルでは、家族連れが鮎を箸で崩しながら笑っている。
そういう風景ごと、旅の記憶になる。
混雑するのは9月の連休ごろ。
週末の12時台は並ぶこともあるので、11時の開店直後が狙い目だ。
那珂川の景色|食後に川岸を歩くと、それだけで旅になる
食事を終えた後、川沿いをしばらく歩いた。
舗装されていない川岸の道に、砂利と草が混じっている。
那珂川は、透明度が高い。
浅瀬を覗くと、川底の石がはっきり見える。
鮎が群れているのも、目を凝らすと分かった。
10月に入ると、周囲の山が色づき始める。
川の青と、山の赤と橙が重なる瞬間がある。
その組み合わせは、写真より実物の方がずっときれいだ。
観光スポットと呼ぶには素朴すぎる場所だ。
でも、何もしない時間を川の前で過ごすのが、ここの正解な気がする。
帰り際、駐車場から振り返ると、やな場がまだ川に浮かんでいた。
次は違う季節に来てみたい。
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大瀬観光やなへの行き方
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