朝靄の中に、杉が並んでいた。 37kmにもわたって、ただひたすら続く。 江戸時代から400年。 人が植えて、人が守って、今もそこにある。 有名な場所だとわかっていても、 実際に足を踏み入れると、言葉が出なくなった。 そういう場所だ。
日光杉並木のおすすめスポット
日光杉並木(例幣使街道)|静けさの中に、400年が立っている
三つの街道に分かれている。
日光街道、例幣使街道、会津西街道。
その中でも例幣使街道は、観光客が少ない。
早朝7時に車を止めて、歩き始めた。
誰もいない。
足音だけが聞こえる。
杉の根元が、道路のすぐそばまで来ている。
樹齢400年のものが、こんな距離で見られる。
幹を触ると、しっとりしている。
コケが生えている。
時間の積み重なりが、手のひらに伝わってきた。
驚いたのは、静けさだ。
車が走っていても、杉が音を吸っている気がした。
あの独特の静けさは、再現できない。
そこに行かないと、わからない。
並木の中に日差しが差し込む瞬間がある。
光が縦に落ちてくる。
それを見るために、また来たい。
日光街道杉並木(今市〜日光)|世界一長い並木道を、ゆっくり走る
ギネスにも登録されている。
「世界一長い並木道」として。
全長37km、杉の数は約1万2000本。
数字で聞いても、ピンとこない。
実際に走ってわかった。
終わらない。本当に終わらない。
国道119号線を日光方面へ走ると、
両側から杉が迫ってくる区間がある。
窓を開けた。
冷たくて、濃い空気が入ってきた。
杉の匂いだ。
今市から日光まで、車で30分ほど。
でも、急ぎたくない。
ゆっくり走った。
途中に「杉並木公園」がある。
車を止めて、歩ける区間だ。
舗装された遊歩道ではなく、
土の上を歩く。
それが良かった。
根っこが浮き出た地面を踏みながら、
ただ歩いた。
20分くらいいた。
並木沿いの茶屋・休憩スポット|歩き疲れたら、ここで一息つく
歩いていると、小さな茶屋があった。
「磐裂根裂神社」の近く。
甘酒を頼んだ。
350円だ。
温かくて、体に染みた。
茶屋のおばさんが話しかけてきた。
「今日は霧が出てきれいだったでしょ」と。
地元の人は毎日見ている。
それでも、きれいと言う。
ベンチに座って、並木を眺めた。
車が通るたびに、葉が揺れた。
小さな風が起きた。
日光の観光地は人が多い。
東照宮、いろは坂、華厳の滝。
でも、この杉並木の茶屋には、
ほとんど人がいない。
静かに時間が流れている。
旅の中で、一番落ち着いた時間だ。
こういう場所に、旅の本質がある。
名所より、名もない休憩の時間に。
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日光杉並木への行き方
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