硫黄の臭いが、鼻をつく。 それが最初の印象だ。 那須の山の中に、こんな異様な場所がある。 白い岩が広がり、地面からもうもうと湯気が立ち上る。 九尾の狐が封じられた石、という伝説よりも、 目の前の光景の方がよほど非現実的だ。
殺生石のおすすめスポット
殺生石|白い岩と硫黄の煙、異界の入口に立つ
駐車場から歩いて5分。
そこから先、空気が変わる。
足元の岩が白くなっていく。
植物がない。虫の声もない。
硫黄の臭いが濃くなるにつれて、
日常からどんどん遠ざかる感覚があった。
殺生石は、那須湯本温泉の源泉近く。
標高は約900m。
岩の割れ目から有毒ガスが噴き出しているため、
近づきすぎると本当に危険だ。
「殺生」という名は伊達じゃない。
岩の周囲には千本鳥居が並ぶ。
赤い鳥居と白い岩の対比が、妙に映える。
写真を撮る手が止まらない。
2022年に石が割れたというニュースがあった。
現地で見ると、確かに割れた跡がある。
九尾の狐が復活した、と騒がれたあの石だ。
伝説と現実が交差する場所。
そういう感覚が、ここには確かにある。
鹿の湯|1300年前から続く、板張りの湯船
殺生石から歩いて3分。
鹿の湯がある。
入口の建物が古い。
板張りの床、低い天井、木の仕切り。
昭和どころか、もっと前の空気が漂う。
料金は500円。
タオルと石鹸は持参必要だ。
シャンプーは使えない。
そういうルールが逆に潔い。
湯船は温度別に分かれている。
41℃、42℃、43℃、44℃、46℃、48℃の6種類。
硫黄泉の白濁したお湯が、
木の湯船にたっぷり張られている。
48℃は本気で熱い。
10秒が限界だ。
それでも地元の人がざぶんと入っている。
派手な設備は何もない。
でも、お湯の本気度は本物だ。
殺生石で感じた「異界感」が、
ここでも続いている。
那須温泉神社|森の中の静かな拠点
殺生石のすぐそばに、那須温泉神社がある。
奈良時代に創建されたと伝わる古社だ。
鳥居をくぐると、空気が落ち着く。
杉の木が高く、光が差し込む。
殺生石の「禍々しさ」とは対照的な静けさ。
九尾の狐を祀った社もある。
退治された後も、ちゃんと祀られているのが面白い。
日本人の感覚って不思議だ。
参拝者は多くない。
那須といえばロープウェイや牧場が目立つ中、
ここは静かなまま残っている。
御朱印は社務所でもらえる。
初穂料は500円。
那須温泉の「元湯」として信仰されてきた歴史が、
そのまま刻まれているような神社だ。
殺生石から歩いて2分。
セットで立ち寄ることをすすめたい。
モデルコース
殺生石への行き方
HUB CITY
宇都宮(拠点都市)から行ける旅先を見る →