群馬の山奥に、ひっそりと湯が湧いている。 川中温泉。 知る人ぞ知る、日本三大美肌の湯のひとつ。 でも派手な宣伝は何もない。 温泉宿が数軒あるだけの、小さな集落。 それがかえって、刺さった。 冬に行くと、雪と湯けむりが混ざり合って、ここだけ時間が止まったみたいだ。
川中温泉のおすすめスポット
かわなか温泉 かしわや本店|川底から、じわじわと湯が滲み出てくる
川沿いに建つ、木造の宿。
築100年以上というのも、見た瞬間にわかる。
廊下が軋む。
天井が低い。
そのすべてが、ちゃんと古い。
目当ては「川の湯」と呼ばれる浴室だ。
川床から直接湧き出す源泉が、そのまま浴槽になっている。
pHは9.6。
お湯に浸かって10分もすると、肌がぬるっとし始める。
これが美肌の湯か、と素直に驚いた。
温度は約38度。
ぬるめだから、長くいられる。
気がついたら1時間以上つかっている。
日帰り入浴は午前10時から午後3時まで。
料金は700円。
浴室はひとつしかなく、男女交代制なので、到着前に電話で確認したほうがいい。
タオルの販売はないので持参を。
川中温泉 渓谷沿いの遊歩道|雪が積もると、別の場所になる
宿の前を流れるのは吾妻川の支流。
夏は緑、秋は紅葉、冬は雪。
どの季節も顔が違うと聞いていたけれど、冬に来て正解だ。
遊歩道は宿から徒歩5分ほど。
整備はされているが、冬は凍結する箇所がある。
トレッキングシューズは必須。
スニーカーでは怖かった。
川の音だけが聞こえる。
誰もいない。
雪が音を吸うのか、ひどく静かだ。
湯上がりにここを歩くと、火照った体が少しずつ冷えていく。
そのグラデーションが気持ちよかった。
川を見ながら、30分ほどぼんやりした。
何も考えていない。
そういう時間が、ここにはある。
東吾妻町の蕎麦処|湯の後は、手打ち蕎麦一択
川中温泉から車で約15分。
東吾妻町内に、小さな手打ち蕎麦の店が点在している。
有名ではないが、地元の人が昼に来る店を選んだ。
ざる蕎麦、850円。
麺が細い。
つゆが辛口で、しっかり蕎麦の香りがする。
東京の蕎麦とは明らかに違った。
群馬の蕎麦は、観光地化されていないぶん、値段が正直だ。
地元の農家さんが作っているのかと店主に聞いたら、「そうだよ」と短く返ってきた。
席は10席ほど。
ランチは午前11時半から始まり、蕎麦がなくなったら終わり。
午後1時には売り切れている。
早めに動いたほうがいい。
温泉の後に食べると、体の中からほぐれていく感覚があった。
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川中温泉への行き方
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