標高1,565メートル。 群馬の山深いところに、栗生山はある。 有名でもない。 アクセスも楽ではない。 それでも、冬の朝にここへ向かった。 理由は単純で、誰もいない雪山を歩きたかっただけ。 結果として、それは正解だ。 静けさと、白と、遠くの山並みが待っている。
栗生山のおすすめスポット
栗生山登山口|静寂は、ここから始まる
登山口に着いたのは朝7時ごろだ。
駐車スペースは数台分。
他の車は1台もない。
冬の空気が刺さるように冷たい。
気温はマイナス4度。
息が白く、そのまま消えていく。
登山道の入口に鳥居がある。
山岳信仰の山だと、ここで気づく。
パンフレットに書いてあっても、実際に見ると全然違う重みがある。
足元は雪と凍結が混ざった状態。
チェーンスパイクなしでは正直きつい。
持ってきてよかったと思った瞬間が、登り始めて5分で来た。
音がない。
風の音だけがある。
それだけで、もう十分な気がしてくる。
栗生山山頂|白と青だけの世界が広がっている
登り始めて約1時間40分。
山頂に出た瞬間、思わず声が出た。
360度、遮るものがない。
北には日光連山。
西には赤城山の稜線。
遠くにうっすらと浅間山も見える。
雪は山頂付近で15センチほど積もっている。
踏むたびに、ぎゅっと鳴る。
その音が妙に心地よかった。
山頂には小さな祠がある。
江戸時代から山岳信仰の場所だったらしい。
誰かが供えた花が、凍ったまま残っている。
風が強かった。
じっとしていると5分で限界になる。
でも、その5分は惜しくて動けない。
そういう景色だ。
下山は1時間ほど。
登りより膝に来る。
チェーンスパイクの重要性を、体全体で理解した。
神戸駅周辺|下山後の温もりが、旅を締める
下山して最初にしたことは、車のヒーターをMAXにすることだ。
体の芯まで冷えている。
わたらせ渓谷鐵道の神戸駅は、登山口から車で20分ほど。
昭和の匂いがする小さな駅だ。
駅前に小さな食堂が1軒ある。
午後1時を過ぎていたが、開いている。
うどんを頼んだ。
600円。
出汁が澄んでいて、しみた。
わたらせ渓谷の川沿いを少し歩いた。
冬の渓谷は枯れていて、岩と水の色だけがある。
それが意外と美しかった。
帰りにわたらせ渓谷鐵道に乗ってみた。
1両編成のディーゼル。
窓から山が流れていく。
栗生山がどこかに見えた気がした。
たぶん気のせいだけど、そう思いたかった。
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栗生山への行き方
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