水戸に来たのは、梅を見るためだ。 2月の朝、駅を出ると空気が冷たくて、息が白くなった。 偕楽園まで歩いて20分ほど。 近づくにつれて、ほんのり甘い香りが漂ってくる。 その香りに引っ張られるように、足が自然と速くなった。
偕楽園のおすすめスポット
偕楽園|3,000本の梅が、丘の上で一斉に咲いている
入園料は300円。
それだけ払って門をくぐると、別の世界に入った気がした。
園内には約100品種、3,000本の梅がある。
白梅、紅梅、枝垂れ梅。
色が違う。形が違う。香りも微妙に違う。
見渡すと、木と木の間を人がゆっくり歩いている。
みんな、どこかぼんやりした顔をしている。
急いでいる人が、一人もいない。
それが不思議だ。
東京から高速で2時間ちょっとの場所とは思えない、静けさがあった。
好文亭の前に立つと、眼下に千波湖が広がる。
その景色で、ここが徳川斉昭の設計した場所だということを実感した。
「見せたかったのは、これか」。
梅まつりの期間中(2月〜3月上旬)は夜間ライトアップもある。
昼とは全然違う空気になる。
両方見るのが正解だ。
好文亭|徳川斉昭が「ここで休みたかった」気持ちがわかる
偕楽園の中に、好文亭という建物がある。
入館料は190円。
正直、最初はそこまで期待していない。
歴史的な建物、というだけで後回しにしかけた。
でも、入ってよかった。
3階の「楽寿楼」に上がると、窓の外に梅林と千波湖が広がる。
座って、ただ眺めた。
10分ぐらい、そうしている。
ここは斉昭が家臣や文人と詩を詠んだ場所らしい。
その話を聞いて、ここで過ごした時間の贅沢さを想像した。
建物の中は畳敷きの部屋が続いていて、天井の意匠がそれぞれ違う。
欄間の透かし彫りが細かくて、思わず顔を近づけた。
梅を見た後、ここで一息つくのが一番いい順番だ。
千波湖畔|梅の後は、湖沿いをただ歩く
偕楽園の南側に、千波湖がある。
周囲は約3km。
無料で、誰でも歩ける。
湖畔の遊歩道に降りると、空気がぐっとひらける。
鴨が水面をのんびり漂っている。
黒鳥もいた。
東京の公園では見ない光景が、ふつうにある。
梅まつりの期間は、屋台が並ぶ。
梅ソフトクリームが350円。
食べながら歩いた。
寒いのに、止まれない。
偕楽園を上から見ていた丘が、湖からだと緑のかたまりに見える。
その景色の切り替わりがおもしろかった。
水戸藩がこの土地を整備した理由が、歩いていると少しずつわかってくる。
広さと眺めの、バランスがいい場所だ。
1時間ぐらいかけてゆっくり一周するのが、おすすめの使い方だ。
モデルコース
偕楽園への行き方
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