標高709m。 それほど高い山ではない。 でも、冬の加波山には、ほかでは味わえないものがある。 霧が晴れた瞬間、筑波平野がぱっと広がる。 その景色を見るためだけに、また登りたくなる山だ。
加波山のおすすめスポット
加波山登山道|息が白くなる道を、ひたすら上る
登山口は加波山神社の鳥居前。
駐車場から歩き始めて、すぐに気づく。
静かだ。
冬の山道には人が少ない。
踏みしめるたびに、枯れ葉がざくざくと鳴る。
標高差は約450m。
コースタイムは登り約1時間30分。
息が上がり始める中盤あたりで、木々の間から筑波山が見える。
おっ、と思わず声が出た。
岩が多くなると、山頂が近い。
鎖場もある。
グローブをしていないと、冬は岩が冷たくて手がじんじんしてくる。
それでも足を止めたくない。
もう少し、もう少し、と体が動く。
山頂直下の加波山本宮には、小さな祠が立っている。
誰かが置いていったと思われる缶コーヒーが、ひとつ。
なんとなく、その場の空気が緩んだ。
加波山神社|山の中に、いくつもの鳥居が続く
登山道の途中に、加波山神社の社殿が点在している。
「本宮」「親宮」「中宮」と、山の中腹から山頂近くにかけて、複数の社がある。
一度に全部まわると、なかなかの距離になる。
鳥居をくぐるたびに、空気が変わる気がした。
冷えた風が吹いて、汗が冷える。
山の神様に近づいている感じがして、少し背筋が伸びた。
冬は落葉しているから、木々の間から空が広く見える。
夏には絶対に見えない角度だ。
社殿の朱色と、冬枯れの山肌のコントラストが、妙に格好いい。
地元の人が大切にしてきた場所だとわかる。
観光地化されていない分、余計に、ちゃんとした場所に来た。
ここは誰かに見せるための神社ではなく、山と一緒に生きてきた神社だ。
山頂からの眺望|晴れた冬の日、関東平野が果てまで見える
山頂エリアに出ると、急に視界が開ける。
標高709m。
その高さから見る景色が、想像以上だ。
関東平野がどこまでも続いている。
霞ヶ浦もうっすら見える。
条件が良ければ、スカイツリーも見えるらしい。
この日は少しかすんでいたけれど、それでも十分すぎた。
冬に来て正解だ。
夏は緑が濃くて視界が遮られる。
葉が落ちた冬だからこそ、山の向こうまで見渡せる。
風が強い。
じっとしていると5分で体が冷えてくる。
防寒具は必ず持ってくること。
アウターの下にフリース1枚あるだけで、全然ちがう。
それでも、この景色の前では立ち去りがたかった。
登ってきた道を振り返って、また前を向いて。
山頂で食べるコンビニのおにぎりが、妙においしかった。
午前中に登り始めて、山頂には11時ごろに着いた。
モデルコース
加波山への行き方
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