城跡って、何もないことが多い。 それでも足を運んでしまう。 古河城もそうだ。 利根川のほとりに、かつて三層の天守がそびえていたという。 今は水と草と風だけが残る。 でも、それがいい。 なんでもない景色に、妙に時間が溶けていく場所だ。
古河城のおすすめスポット
古河城跡|水辺に消えた天守の気配
城があった場所は、今は渡良瀬川の水面の下だ。
治水工事で沈んだ。
その事実を知ってから見る風景は、少し違って見える。
残されているのは「御茶屋口門跡」の石碑と、わずかな土塁の痕跡くらい。
観光地っぽさは皆無だ。
のぼりも看板も、ほとんどない。
訪れたのは平日の午前10時ごろ。
ほかに人はいない。
川沿いの土手をひとり歩いていると、風の音しか聞こえない。
江戸より前、古河公方がここを本拠にしていた時代がある。
関東の政治の中心がここだった、と頭ではわかっていても、どこか信じがたい静けさだ。
その落差が、逆に面白い。
城跡巡りに慣れた人ほど、この「何もなさ」を楽しめる。
想像力で補う旅だ。
古河歴史博物館|城の記憶を、ここで補う
城跡で「何もない」とわかったら、次にここへ来るべきだ。
順番を逆にすれば良かったと少し後悔した。
古河歴史博物館は、古河城の模型や発掘品を展示している小さな施設だ。
入館料は200円。
安い。
それでいて、内容が思いのほか濃かった。
三層の天守がどんな姿だったか、模型で初めてイメージできる。
「こんなに大きかったのか」と声が出た。
城下町の地図も展示されていて、現在の市街地と見比べると面白い。
学芸員の方が在席していて、少し話を聞けた。
渡良瀬川の改修工事で城の大部分が失われた経緯を教えてもらった。
川底に眠る瓦が今も出てくることがある、という話が印象に残る。
滞在時間は約45分。
城跡の前か後、どちらでも立ち寄れる。
先に来た方がいい、と今は思っている。
古河総合公園|桃と菖蒲と、ただ歩く時間
城跡のすぐ近く、渡良瀬川沿いに広い公園がある。
古河総合公園だ。
3月下旬から4月初旬は桃の花が咲く。
「桃まつり」の時期には屋台も出て、平日でもそれなりの人出だ。
桜より早く、梅より遅い。
そのちょうど間の季節に、ピンクが川沿いを埋め尽くす。
花のない季節に来ても、十分に気持ちいい場所だ。
芝生が広くて、のんびりしている。
古河城の復元御茶屋が公園内に建っていて、無料で外観を見られる。
内部に入れる日もある(要確認)。
菖蒲園もあって、6月には紫が一面に広がるらしい。
次は6月に来てみたい。
公園の中を1時間ほど歩いた。
無料でこれだけ気持ちいい空間があるなら、また来る理由になる。
古河に「また来たい」と思えたのは、ここのおかげだ。
モデルコース
古河城への行き方
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