津軽平野の真ん中に、ひとつだけ山がある。 どこから見ても、その山が目に入る。 岩木山。津軽富士と呼ばれるその山は、冬になると全身を雪で覆い、別の顔を見せる。 麓から仰ぐだけでも息をのむ。 それでも、上まで行ってみたくなるのはなぜだろう。
岩木山のおすすめスポット
岩木山神社|雪の参道を歩くと、静けさが体に入ってくる
鳥居をくぐった瞬間、空気が変わった。
杉の巨木が左右に並ぶ参道は、冬は雪に埋もれる。
足元の雪を踏むたびに、ギュッと音がした。
参拝者はほとんどいない。
それがまた、いい。
社殿は桃山様式で、朱塗りの色が白い雪に映えた。
思ったより派手な色なのに、なぜか浮かない。
雪と朱色の組み合わせは、写真で見るより何倍も鮮やかだ。
本殿の奥には岩木山そのものが御神体として祀られている。
そう聞いて、背後の山を振り返った。
厳かな気持ちになるのが自然だ。
参拝を終えて鳥居を出ると、津軽平野がぱっと広がる。
その開放感も、ここの醍醐味のひとつだ。
岩木山スカイライン&リフト|8合目の世界は、別の惑星みたいだ
冬季は岩木山スカイラインが閉鎖される。
だからこそ、スカイラインが開く春〜秋に8合目まで車で上がり、そこからリフトで9合目を目指す人が多い。
今回は残雪期の5月初旬に行った。
リフトに乗ると、眼下に雪原が広がった。
風が強くて、体ごと持っていかれそうだ。
9合目に降り立つと、視界が一気に開ける。
津軽平野が一面に広がり、その先に日本海が光っている。
「あそこまで見えるのか」。
リフト料金は往復1,000円。
スカイライン通行料は普通車570円。
雄大な景色にしては、安すぎる値段だ。
山頂まで徒歩で行くなら、さらに1時間ほどかかる。
体力に自信があるなら、ぜひ山頂まで。
そこにしかない景色がある。
嶽温泉|登山の後、硫黄の湯に沈む夜
岩木山の登山口近くに、嶽温泉がある。
硫黄の匂いは、駐車場に着いた瞬間からわかった。
湯は白く濁っている。
乳白色の湯に浸かると、体の芯からほぐれた。
山を登った後の疲れが、じわじわと溶け出す感じ。
日帰り入浴は500円前後の宿が多い。
地元の人も普通に使っている。
観光地化されすぎていないのが、正直ありがたかった。
温泉から上がると、空には星が出ている。
山の近くの夜空は、密度が違う。
弘前市内に戻る前に、この湯を経由するルートがおすすめだ。
体が温まったまま宿に帰れる。
岩木山は、山を歩いて、この湯に入って、やっと完結する気がした。
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岩木山への行き方
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