電話も、テレビも、ない。 ランプの灯りだけで夜を過ごす温泉宿が、青森の山奥にある。 青荷温泉は、そういう場所だ。 最寄りのコンビニまで車で40分。 圏外になった瞬間、肩の力がすっと抜けた。 ここに来るまでが旅で、着いた瞬間から別の時間が流れはじめる。
青荷温泉のおすすめスポット
青荷温泉 ランプの宿|圏外になった瞬間、旅が始まった
青森市内から車で約1時間半。
山道を抜けて、ようやく見えてくる茅葺き屋根。
チェックインしてまず気づくのは、静けさだ。
スマホを見ようとして、電波がゼロなのを思い出す。
それがまったく、嫌じゃない。
宿泊料金は1泊2食付きで大人1名13,000円前後。
夕食は18時から。
囲炉裏を囲んで、山菜や川魚が並ぶ。
どれもシンプルなのに、妙においしい。
ランプは各部屋にひとつ。
夜8時を過ぎると、廊下も外も暗闇になる。
怖いというより、懐かしい感じがした。
こんな夜を、都会では絶対に体験できない。
朝5時に目が覚めた。
窓の外、雪が音もなく積もっている。
あの朝の静けさは、たぶんずっと忘れない。
4つの湯めぐり|雪見露天は、反則だ
青荷温泉には、敷地内に4つの浴場がある。
内湯、露天風呂、滝見の湯、健六の湯。
宿泊者なら全部入り放題だ。
一番の推しは、露天風呂。
冬に来るなら、ここだけは絶対に入ってほしい。
夜、雪がしんしんと降る中で湯に浸かる。
温度は41℃前後。
ぬるくも熱くもない、ちょうどいい温度が続く。
見上げると、木々に雪が積もっている。
静かすぎて、自分の呼吸の音が聞こえる。
泉質は弱アルカリ性の単純温泉。
肌がするっとなる、いわゆる「美人の湯」系。
湯上がりに肌を触ったら、思わず笑ってしまった。
滝見の湯は、小屋の中に湯船がひとつだけ。
夜はランプ一灯。
滝の音だけが聞こえる、あの空間は別格だ。
冬の黒石・こみせ通り|雪の中を歩くアーケードが、江戸時代のままだ
青荷温泉への道中、黒石市に寄った。
「こみせ通り」という場所だ。
木造のアーケード商店街で、全長は約180m。
江戸時代から続く、雪よけの木の回廊。
ここが国の重要伝統的建造物群保存地区に指定されている。
観光客はほとんどいない。
シャッターが閉まった店もある。
でも、それがリアルで、かえってよかった。
雪が降る中、木の天井の下を歩く。
靴音だけが響く。
観光地じゃなくて、生きている街、という感じがした。
通りの途中に「中村亀吉」という酒蔵がある。
創業1884年の老舗だ。
試飲させてもらった純米酒が、するりと体に入った。
1本1,500円で購入。
青荷温泉に持ち込んで、ランプの前で飲んだ。
その夜が、旅のなかで一番好きな時間だ。
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青荷温泉への行き方
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